ブックスキャンは15日、読者が安心して蔵書の電子化を行うための環境づくりを目指す団体「日本蔵書電子化事業者協会(仮称)」設立準備会の発足を発表した。

紙の書籍や雑誌などをスキャナ機器で読み取ってデジタル化することは、俗に「自炊」と呼ばれており、個人的に取り組んでいる人も多い。現在は明確なルールが存在しないため、著作権者や出版社、自炊代行業者などの間で裁判に発展したケースもある。代行業者を装い、著作物の海賊版を違法に販売する悪質な業者も存在するという。

そうした背景の中、蔵書電子化サービス(いわゆる自炊代行)を手がけるブックスキャンは、利用者が安心・信頼でき、さらに著者や出版社の利益を損なわないように配慮したサービス提供の環境整備が急務と考え、今回の設立準備会発足にいたったとする。

「日本蔵書電子化事業者協会(仮称)」の設立準備会では、蔵書電子化サービスを行っている事業者に幅広く参加を呼びかけるとともに、健全な業界ルールの制定や利用者の啓発活動について議論を重ねていくという。また、主に著作権者を中心とした「蔵書電子化事業連絡協議会」(Myブック変換協議会)や、著者・出版社・学識経験者などとも協議しつつ、蔵書の電子化を通じた社会・文化への貢献、著者・出版社への還元を行うためのルール・環境づくりに取り組んでいくと述べている。