The Mozilla Foundation

MozillaおよびOTOYは5月3日(米国時間)、JavaScriptで開発されたHDビデオコーデックライブラリ「ORBX.js」を発表(PDF)した。ORBX.jsはすべてHTML5/JavaScriptの技術を使って開発されており、HTML5に対応したブラウザであればプラグインなどをインストールすることなくビデオの再生が可能になる。最新のFirefox、Chrome、Opera、Safari、IE10などが対象。OSに関する制限もなく、HTML5に対応しているブラウザであればWindows、Linux、Mac OS Xなどさまざまな環境で使用できる。

ORBX.jsはスクラッチからJavaScriptで開発されたメディアコーデックで、1080p60のビデオをデコードする能力を持っている。デコードの処理にはJavaScirptが使用され、レンダリングにはWebGLが活用されている。Mozillaは3月、新しいJavaScriptエンジンである「OdinMonkey」を発表するとともに、JavaScriptライブラリ「asm.js」を発表しているが、こうした技術もORBX.jsの現実性を後押ししているものとみられる。

MozillaはFirefox OSの開発を進めるなど、PCにおけるブラウザという位置づけから、さまざまなデバイスにブラウザを提供するという方針をより強くしている。ORBX.jsの発表の背景には、特定のプラグインやOSなどに依存する動画再生に関する実装をブラウザニュートラルにすることで、さまざまなプラットフォームに対して同一の動画体験を提供する狙いがあるものとみられる。