Texas Instruments(TI)は、学生やホビーユーザー、電子アーティストから上級技術者まで、すぐに開発が開始できる次世代シングルボードコンピュータ製品「BeagleBone Black(BBB)」を45ドルで提供すると発表した。
同製品は、クレジットカードサイズのLinuxシングルボードコンピュータで、ARM Cortex-A8プロセッサ(1GHz)を組み込んだ同社プロセッサSitara「AM335x」を搭載しており、ハードウェア、ソフトウェアをオープンに開発できるボードコンピュータ。ユーザーはBBBのコミュニティサイトで公開される各種コンセプトを開発に活用することができるほか、相互的なサポートも受けることも可能だという。
またBBBは、ディスプレイやキーボード、ネットワークに接続できるインタフェースを備えることで、類似製品よりも低価格で高いパフォーマンスを得ることができるという。搭載されたAM335xは、3Dグラフィックスアクセラレータ「SGX530」により、ARM11の約2倍を超えるパフォーマンスを実現可能なほか、2GBのオンボードストレージ(eMMC)にはLinuxソフトウェアがプリロードされており、電源供給用としてUSBケーブルが付属している。加えて、インタフェースとして、USBやEthernet、HDMIを搭載しており、マウスやキーボード、LCDなどの幅広いデバイスと接続できるほか、65本のデジタルI/Oや7本のアナログ入力用のヘッダが用意されているため、各種外部ペリフェラル群にアクセスすることもできる。
さらに、プリロードされているLinuxと統合開発環境(IDE)「Cloud9」により、すぐに利用を開始することが可能。内容はmicroSDスロットに記憶でき、新規ユーザーは、これらのソフトを使うことで組み込みLinuxを理解し、習得することも可能だと同社では説明している。これらの関連資料はコミュニティで無償提供され、サンプルコードやメインラインでサポートされるUbuntu、Android、Fedoraのようなソフトも提供されるため、ハードウェアとソフトウェアの統合を簡単に行うことができるという。
BBBは、同コミュニティで「ケープ」と呼ばれる30種類以上のプラグインボードとの間で互換性が保たれており、新しい「ケープ」も今後発表される予定。3Dプリンタ、DMX照明コントローラ、ガイガーカウンタ、遠隔制御の潜水艦ロボット、LCDタッチスクリーンのような「ケープ」を接続することで、さらに幅広い革新的なプロジェクトを実現することができ、開発期間を短縮することができるという。なお、BBBは同社と提携する販売特約店から注文可能。量産出荷は5月の予定で、初期出荷の数量には限りがあるという。