出光美術館は5月19日まで、「土佐光吉没後400年記念 源氏絵と伊勢絵 ―描かれた恋物語」展を開催している。
桃山時代に源氏絵をリードした絵師・土佐光吉の没後400年展
光源氏の恋の遍歴を、壮大なスケールでつづった王朝文学の傑作『源氏物語』。その誕生には、在原業平と目される男の一代記『伊勢物語』が多くの着想を与えたといわれており、このような密接な関係はそれぞれの物語を描いた絵画、源氏絵と伊勢絵にも及ぶという。
今年は、桃山時代に優れた源氏絵を残した絵師・土佐光吉(1539~1613)の没後400年にあたる。同展は、光吉とその時代の源氏絵を、源氏絵に近接する物語絵画、とりわけ伊勢絵との比較によって捉えなおす展覧会となる。
展覧会は、1「貴公子の肖像 ー光源氏と在原業平」、2「源氏絵の恋のゆくえ ー土佐派と狩野派」、3「伊勢絵の展開 ー嵯峨本とその周辺」、4「物語絵の交錯 ー土佐光吉の源氏絵と伊勢絵」、5「イメージの拡大 ーいわゆる<留守模様>へ」の5章で構成。
『源氏物語』と『伊勢物語』の、テキストに認められる密接な関係をそれぞれの絵画にも当てはめ、光吉を中心とする17世紀の源氏絵と伊勢絵との間に、図様や表現を通わせている例を見い出す。その上で、当時の公家たちの注釈理解などを手がかりに、このような交響の理由を探るとしている。
開催期間は、4月6日~5月19日 10時~17時(入館は16時30分まで)。毎週金曜日は19時まで(入館は18時30分まで)。会場は、出光美術館(東京都千代田区丸の内3-1-1 帝劇ビル9階)。休館日は毎週月曜日。ただし月曜日が祝日および振替休日の場合は開館となる。入館料は、一般1,000円、高・大生700円、中学生以下は無料(保護者同伴)。その他、詳細は同館Webページで確認できる。