車両の企画、デザイン、設計などを手がける岩手県一関市の企業、モディーはこのほど、最小限のボディサイズで組立て式のマイクロEV「PIUS(ピウス)」のレンタルおよびカスタマイズの受諾を開始した。教育機関での教材として提供していく。

モディーのマイクロEVキットカー「PIUS」

「PIUS」はEVの基本機能をシンプルに構成しており、EVとしての基礎構造を理解しやすくなっている。構成部品は100点程度とシンプルながらも、サスペンションやブレーキ、ステアリング構造は普通乗用車と同様の設計思想となる。こうした特性を生かし、大学や工業高等専門学校、自動車専門学校などの教育機関で、電気自動車の機能・構造、自動車の基本構造を習得する教材として提供する。

一関工業高等専門学校では、すでにモディーと「PIUS」を活用して、2012年度に採択された「地域イノベーション戦略支援プログラム(東日本大震災復興支援型)」の具体的な取組みに着手している。産学双方の技術ノウハウを融合し、次世代モビリティーの開発技術者育成を目的とした教材開発をめざすという。

「PIUS」部品構成

東北大学次世代移動体システム研究会向け自律走行システム実証車

「PIUS」カラーバリエーション

モディーは東日本大震災でデザイン棟が甚大な被害を受け、その建屋での業務の一切ができなくなった。このような状況の中、社員一丸となって「PIUS」の開発、商品化にこぎつけた。同社の代表取締役社長、村上竜也氏は、「東北の復興をめざし、長年の自動車・航空機・船舶における、一貫開発・生産技術を生かし、被災後の『人との絆』や『支援に対する感謝』を伝えるため、商品化した」としている。