ソニーは4月8日、4K/HD高画質ビデオフォーマット「XAVC」を拡張し、高効率映像圧縮方式「Long GOP」と、コンシューマ市場向けの「XAVC S」を追加したと発表した。
同社は、フルHDの4倍以上となる885万画素の高精細、高解像度で深みのある色再現性と滑らかな諧調表現を可能とする高画質4KとHD映像の新たなビデオフォーマットとしてXAVCを2012年に開発した。同フォーマットを搭載したCineAlta 4Kカメラは、2013年4月末時点で約2000台の出荷を見込んでいるという。
今回、XAVCビデオフォーマットがさらに多くのアプリケーションで活用されるように、既存の業務用XAVC Intraフレーム方式に加えてLong GOP方式(4K 4:2:0およびHD 4:2:2)、およびコンシューマ機器向けにMP4ファイル形式を採用したXAVC Sを新たに追加する。これにより、XAVCを業務用途からコンシューマー用途までトータルにカバーするビデオフォーマットと位置付ける。
また、XAVCでの映像制作環境構築に向け、編集ソフトメーカーにとどまらず、ハードウェアメーカーとの協業も加速させる。これまで、XAVCをオープンな技術フォーマットと定め、4Kコンテンツの普及拡大に向けて、ライセンスプログラムを提供してきた。すでに60社を超える企業と導入に向けた交渉を行っており、すでにライセンス契約をした企業を含め31社がフォーマットのサポートを表明している。
映像制作市場では、2月に発売した4Kカメラ「PMW-F55/F5」により映画やCMなどのハイエンドコンテンツ制作領域に加え、ドキュメンタリーやドラマなどの領域でも、XAVCによる4K映像がグローバルな規模で制作されている。今後、XAVCフォーマットを業務用からコンシューマ用へ幅広く展開することで、4K映像のさらなる普及拡大と市場への浸透を図っていく方針。
XAVC S規格の主な仕様は以下の通り。
- 解像度:4K(3840×2160画素)、HD、プロキシ
- 圧縮方式:MPEG-4 AVC/H.264
- ファイル形式:MP4
- オーディオ:リニアPCM、AAC