NVIDIAは3月19日(米国時間)、「NVIDIA GRIDビジュアルコンピューティングアプライアンス(VCA)」を発表した。これにより、企業内ネットワーク上のWindowsやLinux、MacクライアントからGPUパフォーマンスが利用できるようになるとしている。

これは、GPUベースのシステムで、AdobeやAutodesk、Dassault Systemesなどが提供している複雑なアプリケーションを実行し、そのグラフィックス出力をネットワーク経由でクライアントコンピュータに送って表示させるもので、リモートでGPUアクセラレーションが提供できるため、高価な専用PCを個別に用意しなくても、それと同等のリッチなグラフィックス体験を得ることが可能となる。

具体的には4Uアプライアンスで、インストールおよび管理が簡単なほか、同社のGPUが16個搭載されており、ソフトウェア「GRID VGX」により、NVIDIA Quadroに匹敵する、低レイテンシで高解像度、高インタラクティビティのグラフィックス性能を最大16ユーザーに提供することができる。

これにより、十分なITインフラを持たない中小企業でも柔軟性のあるシステムを実現することが可能となり、仮想マシン上でGPUをベースとした専用高性能システムに等しいワークスペースを確保することが可能になるほか、必要に応じて自由に追加や削除、移動することも可能となる。

なお、最初の販売は2013年5月。正規の付加価値再販業者を通じて米国内向けに販売する予定で、構成は8GPU、あるいは16GPUで、価格は2万4900ドルから。この他、無制限に利用できるソフトウェアライセンスの料金として年間2400ドルが必要となる予定だとしている。

NVIDIA GRID VCAの外観