Freescale Semiconductorは、チップサイズ1.9mm×2.0mmを実現したARMベースのマイクロコントローラ(マイコン)「Kinetis KL02」を発表した。

同製品は、競合製品と比べて25%小さいサイズを実現しながら、32ビットARM Cortex-M0+プロセッサを搭載しているほか、先端の低消費電力性能や幅広いアナログ/通信ペリフェラルを備えているため、処理性能や機能の統合性、消費電力性能などを犠牲にすることなく、ボードや製品のサイズを削減したシステム設計が可能となる。

また、これまではマイコンを組み込むことができなかったスペース制約の厳しいアプリケーションにおいても実装できるようになる、これまで実現が難しかった新たな製品を生み出すことにも寄与すると同社では説明する。

パッケージはWLCSPで、最新のパッケージ製造技術を用いて、チップ、はんだボール相互接続部やプリント基板(PCB)に接続できるため、ボンディングワイヤやインターポーザ接続部が不要となり、チップとPCB間のインダクタンスが最小化され、熱伝導とパッケージの耐久性が向上することから、過酷な環境にも対応が可能となるという。また、性能、メモリ、機能のオプションを拡張した次世代「Kinetis CSP MCU」も2013年中に発表される予定。

15.9CoreMark/mAを実現し、他の「Kinetis」製品と同様、自律的なスマート消費電力ペリフェラル(ADC、UART、タイマなど)、10種類の柔軟な消費電力モード、幅広いクロック/電力ゲート制御を備えており、電力損失を最小化するほか、低消費電力のブートモードにより、ブートシーケンスやディープスリープからのウェイクアップの際の瞬時的な消費電力増加を抑制するため、ポータブル機器によく利用されるリチウムイオンバッテリなど、ピーク電流に制限があるバッテリを活用したシステムの場合に効果を発揮するという。

主な特徴は以下の通り

  • 48MHz ARM Cortex-M0+コアを搭載
  • 動作電圧は1.71V~3.6V
  • ビット操作エンジンにより、高速でコード効率に優れたビット指向の演算を実現
  • 32KBのフラッシュメモリと4KBのRAMを搭載
  • 高速12ビットA/Dコンバータ(ADC)
  • 高速アナログコンパレータ
  • インタフェースに低消費電力のUART、SPI、2×I2Cを採用
  • モータ制御など、幅広いアプリケーションに対応する強力なタイマを搭載
  • 動作温度範囲は-40℃~+85℃

なお、同製品は特定顧客向けのサンプル出荷を3月から、一般向けのサンプル出荷を7月から開始する予定。価格は10万個購入時で75セント。また、新たな開発プラットフォーム「FRDM-KL02」や、同社製/サードパーティ製の開発ツールも7月より提供される予定だという。