バラ果実

ポーラ化成工業は1月30日、バラ果実エキスを8週間摂取することで、体重、体脂肪率およびウエストサイズが減少すること、ならびに経表皮水分蒸散量の減少作用により、肌のバリア機能がアップすることを確認したと発表した。

同成果の詳細は2013年3月27日~30日に神奈川県横浜市にて開催される「日本薬学会 第133年会」にて発表される予定。

近年、体の中で過剰なエネルギーを蓄積する脂肪細胞が肥満によって肥大化すると炎症性の物質を放出し、体内での炎症レベルを上げることが指摘されている。そこで同社では、肥大化した脂肪細胞が体型を崩す原因になっているだけではなく、肌の炎症とも関連する可能性があるとの考えから、脂肪細胞の肥大化を抑えることができる新たな脂肪燃焼素材の研究を進めている。

今回の研究は、研究レベルで自律神経活動を亢進することが知られているバラ果実エキス100mg含有の粒を、健常な成人女性8名を対象に、8週間連続して摂取してもらい、体組成と肌状態への影響の検討を行ったというもの。体組成は体重、体脂肪率、ウエスト周囲長を摂取前後に測定し、肌状態は、ダブル洗顔後、室温20℃、湿度50%の環境で20分馴化した後に、頬部の経表皮水分蒸散量を測定した。

この結果、体重、体脂肪率およびウエスト周囲長が減少するとともに、経表皮水分蒸散量が摂取前に比べて有意に減少していたという。

これは、バラ果実エキスが体内の過剰な脂肪を燃焼し、脂肪の肥大化を抑制したことで、体内(肌)での炎症が抑えられ、角層が隙間なく整うようになり、肌のバリア機能が改善されたためたと研究グループでは考えており、このことからバラ果実エキスが、ダイエットと美容の両方を同時にサポートできることが期待されるとコメントしている。

また、研究グループでは、バラ果実エキスの脂肪燃焼作用のメカニズムの1つとして、脂肪細胞中のUCP1(熱産生タンパク質)発現量の高まりを想定しており、今後、詳細な検討を進めていくとしている。

なお、バラ果実エキスを配合したサプリメントは、ポーラ・オルビスグループの1社であるポーラより、2013年4月より発売される予定だという。

左がウエスト周囲長の減少量(N=8の平均値)。右が経表皮水分蒸散量の変化(N=8の平均値)