PCメーカー大手のDellが株式非公開化に向けて2社と協議中とBloombergが報じている。PCメーカーとしてMichale Dell氏が創業したDellはここ数年、法人向けのソリューション企業への転身を図っており、非公開化により四半期単位での業績開示のプレッシャーを受けることなく成長を遂げることができると見ているようだ。

Bloombergが「近い筋から得た情報」として、1月14日付で報じた。それによると、Dellは現在TPG Capital、Silver Lakeのプライベートエクイティ企業2社と協議中で、今週中にも取引が発表される可能性があるという。必要な資金が調達できないなどことから協議が決裂することも考えられるが、Bloombergでは、創業者のDell氏が約15.7%の株式を保有していることから、エクイティ投資を集めやすいとも記している。なお、Dellの株価はこの1年で約3分の1まで下がっている。

PCメーカーとしてのDellは2006年にライバル、Hewlett-Packard(HP)に首位の座を譲って以来、PC事業では苦戦が続いている。Gartnerが同日発表した2012年第4四半期(10月-12月期)のPC市場報告書では、Dellはシェア3位を維持したものの出荷台数は前年同期比約20%減となった。

同社は4~5年前よりエンタープライズ分野にフォーカスし、ソリューションベンダーに向けた変革を図っており、ストレージ、そしてソフトウェア事業を強化している。戦略の中心は買収で、ここ数ヶ月でデータ保護のCredant、インフラ自動化のGale Technologiesなどの企業を買収している。

創業者のMichale Dell氏