東北大学は、鉄微粒子含有たんぱく質(リステリアフェリティン)を用いた自己組織化による金属微粒子テンプレート技術と中性粒子ビーム加工技術の組み合わせにより形成するシリコンナノ円盤アレイ3次元超格子構造を用いた高効率中間バンド型シリコン量子ドット太陽電池のバンド構造を理論的に明らかにしたと発表した。
同成果は同大流体科学研究所および原子分子材料科学高等研究機構の寒川教授グループによるもので、詳細は12月10日より米国サンフランシスコで開催されている「国際電子デバイス会議(IEDM 2012)」にて発表された。
同技術は、5nm厚のSi/SiCの積層構造を積層して金属微粒子をマスクとして一括加工することで5nm径シリコンナノ円盤構造を2nm間隔で周期的に3次元配置、その後、SiCで埋め込むという方法でシリコン量子ドット超格子構造を実現するもの。
今回の研究では、同構造をN型およびP型SiC層で挟み込むことで最大エネルギー変換効率50%以上の中間バンド型シリコン量子ドット太陽電池が実現できることが新たな計算手法を用いて理論的に明らかにされた。
なお研究グループは、この結果について、実際に作製可能なシリコンナノ円盤アレイ3次元超格子構造により超高効率シリコン量子ドット太陽電池を実現できる可能性を具体的に示した成果と説明している。