Googleは12月5日、検索の新しい技術「ナレッジグラフ」と、その技術をベースとした新機能を日本語の検索表示に導入した。同日より順次、ユーザーの結果表示画面に適用される。同機能は、米国では今年5月に提供が開始されているもの。
同社では、Google検索の目指す方向として「完璧な検索エンジンは、検索の意図を理解し、意図に沿って欲しい情報を提供する」を掲げ、検索サービスを提供開始して以来、ワードのサジェスト機能や、結果に画像/地図、レビューを表示するなどといった改善を行なってきている。
Google 製品開発本部 本部長の徳生 健太郎氏は、「このような改善を行なっても、なかなかうまくいかない部分が残っている。そこをどうにかできないかという試み」が今回のナレッジグラフの提供にあるという。
これまでの検索では、検索ワードを基本的に「文字列」として認識して結果を表示している。これが、ナレッジグラフを活用することで"検索ワード"が表しているものに、人物なのか場所なのかといった"意味"を持たせ、その意味に応じて、現実世界の"モノ"や"モノとモノの間のつながり"を認識して結果を表示することが可能となる。
ナレッジグラフは、5億7000万以上の人や場所、ものごとに関する情報と、180億以上の属性や関連性を含む構造化されたデータベースを持っており、入力されたキーワードが何を意味するかを把握して検索結果の一部として表示する。
例えば、これまでの「ルーブル美術館」という検索ワードでは、ページに「ルーブル美術館」という文字列を含むサイトをベースとして結果が表示されていたが、ナレッジグラフを使用した結果では、「ルーブル美術館」の営業時間や、所在地、所蔵品といった情報がトピックとして表示されるようになる。
このような"意味付け"をした結果が表示されるのは、当初はミュージシャンや俳優、歴史的人物などの人名、映画やテレビ番組、芸術作品などの名称、観光地や国内外の自治体などの場所名、生物や天体、化学物質などとなっているが、今後対応カテゴリを増やしていく予定だという。
また、映画名と地名が存在する「カサブランカ」のようなワードの場合には、どちらの情報を探しているのか、大分類を表示してユーザーが選択するようなインタフェースとなっている。表示されるトピック内容が間違っている場合には、「問題を報告/詳細」のリンクから修正候補を送ることもできる。
これまでの文字列をベースとしたGoogle検索から、今回、"単語の意味"による検索サービスが提供されることになるが、徳生氏は「モノや、モノとモノの関連情報から、意図に沿った検索結果を出していくという上で、非常に大きな第一歩。次世代の検索基盤として使っていく」と語った。
新しい検索は、PCとスマートフォン、タブレットで利用でき、それぞれに最適化された表示で提供される。
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