総合メディア事業会社である博報堂DYメディアパートナーズ メディア環境研究所は、全国47都道府県に住む生活者の主要6メディア(テレビ・ラジオ・新聞・雑誌・PCネット・携帯ネット)に対する接触状況を分析する「全国47都道府県メディア接触分析」を行った。調査期間は2011年10月16日から10月22日、対象は日本全国の15歳から69歳の男女28,859名。
同社の分析の結果、全国47都道府県の生活者のメディア接触パターンは、「カントリーマス」、「ラジエリアン」、「テレビラバーズ」、「アベレージニッポン」、「ネットシチズン」の5通りに分類されることかわかった。
テレビ・新聞愛好層である「カントリーマス」は、メディア総接触時間が比較的長い。北海道や青森県など、広大な土地と豊かな自然に恵まれた道・県を中心に分布している。
ラジオの利用時間が極めて長い「ラジエリアン」は、沖縄県に特有のパターンとのこと。鉄道がほとんどなく、移動手段が車に限られるため、ラジオの利用時間が最も長いという。
「テレビラバーズ」は、メディア接触の中心がテレビで、ラジオやネットなどの接触は少ない。人口減少傾向のエリアが中心で、人口下位6県(鳥取県、島根県、高知県、徳島県、福井県、佐賀県)に集中している。
「アベレージニッポン」は、PCネットと携帯ネットの接触が東京に続いて長めだが、傾向は全体平均に近い。東京に次ぐ大都市や、政令指定都市を多く擁する府県に多い。
メディアの総接触時間が長く、PC・携帯のインターネット利用時間が突出して長いデジタル先進層である「ネットシチズン」は、東京に特有の傾向とのこと。雑誌接触時間も比較的長いが、テレビ、ラジオの接触時間は短めという。
近年、ソーシャルメディアや情報機器の普及により、生活者によるメディア接触状況は大きく変化しているが、全国規模でメディア接触状況の変化が均一に進んでいるということはなく、地域によって特徴がわかれることが明らかになった。