米Microsoftは10月14日(現地時間)、音楽サービス「Xbox Music」を正式に発表した。まずは10月16日(同)にXbox 360向けの提供を開始。さらにWindows 8にプリインストールし、標準の音楽ソフトにする。世界15市場では、Windows 8/RTを搭載したPCまたはタブレットのユーザー向けに毎月10時間までの無料ストリーミングを提供する。
Xbox Musicはデジタル音楽のオールインワンサービスになる。Pandoraのようなインターネットラジオ、Spotifyのようなストリーミング配信サービス、iTunes Storeのようなデジタル音楽のダウンロード販売の全てを提供する。Windows 8またはWindows RTを搭載したPC/タブレット、Windows Phone 8スマートフォン、Xbox 360で利用できるようになり、将来的にはAndroidやiOSなど他社のプラットフォーム向けの提供も計画している。
10月26日から世界15市場において、Windows 8/RTを搭載したPCまたはタブレットのユーザーは半年の無制限ストリーミングサービスを無料で利用できるようになる。6カ月の試用期間終了後は、無料ストリーミングは広告付きで1カ月10時間まで。月額9.99ドルの「Xbox Music Pass」を購入すると、広告が表示されない無制限ストリーミングを、Xbox 360、Windows Phone 8を含めて利用できるようになる。同パスは世界22市場で販売されるという。
音楽ストア「Xbox Music Store」は1800万曲以上の音楽カタログを揃えて、世界22市場でオープンする。Ars Technicaによると、ダウンロード購入できる音楽はビットレートが256kbps、DRMフリーのWMA形式になる。
クラウドサービスも用意され、Xbox Music Passユーザーが作成したプレイリストはクラウドシンクを通じてログインしている全てのデバイスに反映される。またユーザーが所有する音楽をストリーミング再生できるようにするクラウドストレージ・サービスも来年に開始する計画だ。
Microsoftは音楽サービス/ソフト分野において、過去にZuneでAppleのiPod/iTunesに惨敗した。音楽サービスと音楽ストアは評価されたものの、Windowsから切り離された音楽プラットフォームであったこともあり、音楽プレーヤーZuneが突破口を切り開けなかった。Xbox MusicはWindows 8/RTに統合された音楽サービス/ソフトになるという点で、AppleやAmazon、Googleなど先行する競合にとって大きな脅威になりそうだ。