シマンテックは9月19日、インターネット調査をもとに世界中のネット犯罪被害に関する情報をまとめた「ノートン ネット犯罪レポート(PDF)」を発表した。同調査はネット犯罪による影響と、新しい技術がセキュリティに及ぼす効果を把握することを目的に、18~64歳のインターネット利用者を対象として24ヵ国で実施されている。

同レポートでは、世界のユーザーを対象としたネット犯罪に関連する過去1年間の直接的な被害総額を1100億ドル(約8.6兆円)と算出。日本では過去1年間に920万人以上が被害に遭っており、被害総額は348億円になるという。

ネット犯罪による被害総額は推定1100億ドル(同レポートより)

世界各地の推定被害総額(同レポートより)

また、世界中で毎日150万人以上の成人が被害に遭っており、1人あたりの被害額は平均197ドル(約1.5万円)となっている。また、過去1年間に世界で約5億5600万人の人がネット犯罪に巻き込まれているという。

スマートフォン、タブレット端末といったモバイルデバイスやソーシャルネットワークを利用したネット犯罪が増えていることも2012年の特徴のひとつで、21%の人がソーシャルネットワークやモバイルデバイス利用中のネット犯罪の被害に遭っている。

また、ソーシャルネットワーク利用者のうち、セキュリティ製品を使っている人は44%で、全体の39%はプロフィールのハッキングや偽リンクを利用した詐欺などを経験している。またモバイルユーザーの31%は、埋め込みリンクをクリックするように促したり、指定の番号に電話して「ボイスメール」を聞くように促したりするテキストメッセージを受信した経験があるという。

このほか同レポートでは、一般的なネット犯罪に関する知識不足から、ウイルスなどのマルウェアによるPCへの感染を見過ごしてしまうケースが多いことも指摘されている。今回の調査では、55%の人が自分のPCが現在ウイルス感染していないと断言できないと回答したという。