Analog Devices(ADI)は9月6日、低消費電力で2.5Vリファレンスを内蔵した12ビット 1MSPS 逐次比較型(SAR型)A/Dコンバータ(ADC)「AD7091R」を発表した。

同製品は、USB駆動またはバッテリ駆動のデータアクィジションモジュール、ハンドヘルドメータ、フィールド計測機器、環境発電アプリケーション、携帯心電図や心拍計などの医用機器向けに設計されており、高い電力効率を実現したコンバータとなっている。リファレンス内蔵12ビットコンバータの競合製品より33%サイズを小型化したパッケージで提供され、SAR型 ADCの競合製品に比べて70%以上低消費電力となっている。

コアは、1MSPS動作時、3Vで平均349μAの消費電流で動作する。さらに、消費電力はスループットに応じて自動的にスケーリングされる。パワーダウン時の電流は264nA、待機時の電流は21.6μAで、連続変換あるいはワンショット変換時の電力消費も最適化することができる。

2.5V内蔵リファレンスは、4.5 ppm/℃の温度係数を達成している。電源電圧は2.7~5.25Vに対応、シリアルインタフェース規格はSPI/QSPI/MICROWIRE/DSPシリアルIOと互換がある。シリアルインタフェース電圧レベルは1.65~5.25V。動作温度範囲は–40~+125℃。

なお、パッケージは5mm×3mmサイズの10ピンMSOP、もしくは3mm×2mmサイズの10ピンLFCSP。価格は1000個受注時で2.15ドル(米国での参考価格)。すでに出荷を開始している。また、AD7091R用評価ボード「EVAL-AD7091RSDZ」を59ドルで提供している。同評価ボードを使用するには、コントローラボード「EVAL-SDP-CB1Z」が必要となり、こちらは99ドルで提供されている。

2.5Vリファレンスを内蔵した12ビット 1MSPS SAR型ADC「AD7091R」