Freescale Semiconductorは、同社のセンサソリューション「Xtrinsic」向けタッチセンサソフトウェア(TSS)のポートフォリオの拡充として「TSS 3.0」を発表した。これにより、コストを増大させることなくマイコン機能を追加することができるという。

TSS 3.0は、同社が拡充を続けるタッチセンサソフトウェアポートフォリオの最新ソリューションで、産業や医療、民生、車載インフォテイメントといったアプリケーション向けに従来のメカニカルなスイッチに置き換わる機能を実現する。また、TSSライブラリをベースに、無償でライセンス供与されるソフトウェアや費用対効果に優れた開発ツールを備えたソリューションを提供する。これにより、ユーザーインタフェースを通じて、幅広いツールやデモンストレーションソフトウェアを活用し、コストと労力を最小限に抑えつつ、迅速にアプリケーションを開発することができると同社では説明している。

タッチ検知は、低い静電容量測定分解能で高い感度を発揮するため、高精度かつ堅牢なソリューションが実現できる。「TSS 3.0」では、ユーザーが独自に感度レベルを定義できるオプションと、ノイズレベル分析に基づく自動感度補正(ASC)を利用できるオプションが用意されているほか、水滴に対する耐性を備えており、電極が水膜で覆われている場合でも、電極へのタッチを認識することができる。

さらに、同社の様々なハードウェアプラットフォームに組み込まれているタッチセンサ入力(TSI)モジュールと連携させることが可能で、タッチ検知能力を高めることができる。キーパッドやロータリー、スライダなど、よく利用されるタッチセンサデコード構造はライブラリで提供され、メカニカルインタフェースからタッチベースインタフェースへのアップグレードを実現する。

なお、参考価格は「TWRPITSS-SLIDERS」が79ドル、「TWRPITSS-SHIELD」が69ドル。また、Kinetis/ColdFire+マイクロコントローラ向けに、同社が独自開発したリアルタイムデバッグモニタ/データツール「FreeMASTER」を活用した開発キットが提供される。グラフィカルユーザーインタフェースはTSSによって直接サポートされており、マイクロコントローラの内部動作が視覚化されるため、それに応じてTSSアルゴリズムのデバッグや調整、補正を行うことができる。