Integrated Device Technology(IDT)は8月21日(米国時間)、PCI Express(PCIe)Gen3をネイティブサポートしたエンタープライズ・フラッシュメモリコントローラ「NVM Express(NVMe)ファミリ」を発表した。
同ファミリにはPCIe ×4 Gen3を備えた16ch品「89HF16P04AG03」とPCIe ×8 Gen3を備えた32ch品「89HF32P08AG3」の2製品が用意されており、最適化されたレジスタ・インタフェース、コマンドセット、およびPCIe SSD向け機能セットを定義するNVMe規格に完全準拠することでOEMメーカーなどが複数のSSDの検証の必要性を省くことが可能になり、PCIe SSDの利用を促進することが可能になるという。
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IDTのSenior Director of Marketing,Enterprise Computing DivisionであるKam Eshghi氏 |
IDTのSenior Director of Marketing,Enterprise Computing DivisionであるKam Eshghi氏は、「エンタープライズ分野にSSDが必要となってきている。データ量の爆発にCPUはマルチコア化などによる性能向上で対応し、メモリもそれに追随する形で転送速度などが向上しているが、HDDは容量の増大は進んだものの、物理的な構造から転送速度の向上などは難しい課題となっており、そこがボトルネックになってきているからだ」とエンタープライズ分野、特にストレージ用途などで今後、SSDの採用が進んでいくとの見方を示す。
NVMeはそうしたニーズに対応することを目的に半導体ベンダやストレージベンダ、サーバベンダなど80社以上の企業が結成したコンソーシアムにて規定されたホストコントローラ・インタフェースで、最初のバージョンとなるNVMe 1.0は2011年3月1日に発行されている。同ファミリは同規格に準拠したもので、PCIeにダイレクトにSSDフォームファクタを接続することで、SASやSATAのレイヤを介する必要をなくし、アクセス発行/返信のレイテンシや開発コストの低減を可能とする。
また、転送速度もPCIeとダイレクトに接続されるため、SAS 2/SATA 3の実行スループットに比べ、約6倍程度の改善を見込むことが可能だという。実際に評価ボードで測定したところ、最大転送レート3GB/秒、100%ランダムリード、4Kサイズの場合で750K IOPSとなったという。
さらに、NVMeは標準インタフェースであるため、ドライバを独自に開発する必要がなく、標準ドライバでの活用が可能になるという点も開発の容易化につながるという。
実際に同製品と組み合わせて用いられるSSDフォームファクタとしては、大きく分けて2.5インチドライブタイプと、PCIeカードタイプの2種類が想定されている。PCIeカードの場合、カードのサイズがさまざまあるが、いずれも対応可能であり、コントローラとして暗号化やデータインテグリティなどの機能を搭載しているほか、メモリマネジメントやウェアレベリングなどはプログラマブル領域として標準のものを提供しているが、カスタマが独自アルゴリズムなどを用いたファームウェアなどに置き換えることで、最終製品の差別化を図ることが可能になるという。
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IDTからは基本的なエンタープライズ用途に向けた機能を搭載したチップのほかに標準的なドライバやファームウェアが提供されるが、そういった部分はカスタマ側でチューニングが可能であり、その点がカスタマの製品差別化に寄与するというのが同ファミリの特長とするところ |
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こうした同ファミリについて、同社では3つのビジネスモデルを考えているという。1つ目はSSDベンダ向けに提供する方法。2つ目はサーバ/ストレージOEMへの提供。そして3つ目がクラウドサービスの提供などを行っているデータセンターサービス会社などに提供するモデルだ。「顧客の多くはSSDベンダかサーバ/ストレージベンダになるだろう。データセンター向けは自社で基板などを起こすことができるエンジニアを有する一部の企業が対象になる」(同)とのことで、同社からファームウェアコードやソフトウェアのドライバ、評価ボードなどを提供する形でのサポートになるとする。
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エコシステムとして各種IPなども用意されているほか、2.5インチドライブタイプのフォームファクタ(2.5インチドライブにPCIeコネクタがじかにつけられているほか、SAS/SATAもサポートしている)もすでに規定されている |
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同ファミリはすでに一部の先行顧客向けにサンプル出荷を行っているほか、評価ボードもすでに用意されているという。評価ボードの価格は明らかにされていないが、PCIe Gen3 ×8対応で、最大2TBのSLCもしくは同4TBのMLCのフラッシュメモリを搭載。メモリも最大4GBのDDR3-1600 SDRAMが搭載されるという。
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IDTが提供する評価ボード。裏表ともにフラッシュメモリがびっしりと取り付けられている。実際に公開されたボードには東芝のNANDが、プレゼンのスライドの画像ではMicronのNANDがそれぞれ使用されているのが確認できた |
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なお、今後の製品ロードマップに関して同社では、PCIeカードのサイズに限界があるため、現在のフラッシュメモリの容量のままであれば多チャネル化は難しいが、チャネル数を減らしたローエンドモデルなどに関しては検討をしているとしており、NVMeの普及と市場拡大を目指しいくことを強調している。
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