Androidを巡る知的所有権侵害について法廷で米Googleと争っているOracleは、カリフォルニア北部地方裁判所に6月20日付けで書類を提出し、Googleからの損害賠償金を受け取らないことで合意した。全体として敗訴と言える現在の審理を終わらせ、上訴で戦う狙いのようだ。

この訴訟は、2010年8月にOracleがAndroidはJavaの知的所有権を侵害していると訴えたことで始まった。Oracleは当初、Googleに対し60億ドル以上の損害賠償を求めたが、その後主張する特許の数は減らされ訴訟規模は縮小した。

2012年4月にスタートした今回の審理では、著作権、特許、損害賠償の3段階で進められ、特許はGoogleの侵害が認められなかったことから、Oracleが要求できる損害賠償は法廷損害賠償のみとなった。著作権では、5月に今回の審理を担当した判事のWilliam Alsup氏が、今回議論された37件のJava APIについては著作権の保護とならないとした。このように、全体としてOracleの狙いは外れ、Googleに有利な結果となった。

Oracleは、法廷損害賠償の話し合いでGoogleの支払いはなしとした。未解決の問題をなくすことで審理を終わらせて、上訴に向けて準備を進めると思われる。一方、Googleは2週間以内に訴訟費用の請求を行うことができる。