モバイル調査の英Vision Mobileは6月20日、開発者エコシステムの年次報告書「Developer Economics 2012」を発表した。同調査はモバイル開発者のトレンドやエコシステムの動向を探るもので、今回はiOSとAndroidへの集中、タブレットがメインストリームになるなどのトレンドが報告されている。

3回目となる今回は、1,500人以上のモバイル開発者を対象とした。

開発者は、スマートフォンにおいては平均して2.7種類のプラットフォームに対し同時に作業していることがわかった。これは、2011年の3.2に比べて縮小されており、「マインドシェアという点ではAndroidの76%とiOSの66%が2種類が占めている」と報告している。2011年は「開発者がいろいろなプラットフォームで実験する時期」とし、「2012年はiOSとAndroidにエコシステムが統合した」とまとめられている。

だが、利用する計画のあるプラットフォームについては、「Windows Phone」が57%、iOS(28%)やGoogle ChromeとAndroid(ともに25%)を大きくリードした。Windows Phoneは2011年も「利用する計画のあるプラットフォーム」として32%が挙げたが、今年の開発者マインドシェアではWindows Phoneは1ポイント増加にすぎなかったことから、計画と実際の利用は必ずしもつながらないようだ。

「Windows Phone」は前回同様高い関心を集めたが、現状では、利用にはつながっていない 資料:VisionMobile

調査では、開発者のタブレットへのフォーカスも明らかになった。51%がタブレットをターゲットにしていると回答、スマートフォンの85%に次いで第2位になった。これは昨年の34.5%から大きな増加となる。最も多かったのはiOSの開発者で、74%がタブレットをターゲットにしていると回答した。

同調査ではアプリの収益性についてのデータも公開しているが、1種類のアプリの売上は1,200ドルから3,900ドルとプラットフォームによって異なり、アプリから1ドル~500ドルしか売上を計上できない可能性が約35%と試算されている。これらの数値から、「3人に1人の開発者がアプリ開発だけを収入源にできない」と指摘されている。