日本科学未来館(未来館)は6月4日、同16日(土)より、ホンダが5月15日に発表したパーソナルモビリティ「UNI-CUB(ユニカブ)」(画像1・2)の共同実証実験を開始することを発表した。

画像1。パーソナルモビリティ「UNI-CUB」(c)本田技研工業

画像2。未来館にて科学コミュニケーターが実際に乗って実演している様子。(c)日本科学未来館

UNI-CUBは、2009年に公開したパーソナルモビリティ「U3-X」(画像3)をベースに進化させたパーソナルモビリティーだ。「ASIMO」(画像4)に代表されるヒューマノイドロボット研究から生まれたバランス制御技術も導入されており、「Honda Robotics」の1台である。

画像3。ホンダ製パーソナルモビリティのプロトタイプU3-X。現在は、ホンダ系サーキットのツインリンクもてぎでデモを実施中。(c)本田技研工業

画像4。ご存じ、世界的に知られた日本のヒューマノイドロボットを代表するASIMO。2011年11月に発表された3代目。(c)本田技研工業

そのバランス制御技術に加えて、ホンダ独自の全方位駆動車輪機構「Honda Omni Traction Drive System」(画像5)により、身体を傾けて体重移動するだけで速度や方向の調整ができ、前後移動に加えて真横や斜めなどさまざまな方向に動き、曲がり、止まることができる。それにより、周囲の人の動きに対しても機敏に対応することが可能だ。

画像5。ホンダ独自の全方位駆動車輪機構のHonda Omni Traction Drive System。(c)本田技研工業

またUNI-CUBは、両足の間に収まるコンパクトなサイズを実現し、乗った際の足着き性が良く、周囲の人と目線の高さが同等となる点も特長の1つ。これにより、乗る人と周囲の人に優しいモビリティとして、人と調和し、人が行き交う屋内空間や施設などでの移動を可能としている。

そして今回の実証実験では、科学コミュニケーターの実演や巡回などを通して、さまざまな活用の可能性を検証していくという(画像6・7)。実演ではUNI-CUBの特徴や、未来の乗り物の可能性を示唆し、UNI-CUBの運用を通して、先端科学技術が行き渡った社会を想像してもらう内容にするとした。

画像6。科学コミュニケーターによるUNI-CUBの実演のイメージ (c)日本科学未来館

画像7。将来的には一般来館者への試乗なども検討しているという。未来館の中をUNI-CUBで見て回れるようになる? (c)日本科学未来館

実証実験は、今後、段階を経て一般来館者への試乗なども検討し、乗り心地やいろいろな場面における利用用途なども探っていくとしている。同時に展示フロアに来館者が意見できるコーナーも設け、来館者の声も蓄積する予定。その結果を、ホンダの技術陣へフィードバックし、実用化への可能性を検証するとしている。