米Microsoftは4日(現地時間)、Electronic Entertainment Expo (E3: 6月5日-7日、米ロサンゼルス)直前のプレス向けイベントで「Xbox SmartGlass」を発表、Xbox、PC、スマートフォン、タブレットを連携させ、クロスデバイス及びホーム/モバイルの相乗効果でエンターテインメントをよりインタラクティブで面白いものにするビジョンを説明した。例えば「Xbox 360のアメフトゲーム『Madden NFL』で戦術を決める際に、タブレットを使って選手の動きを手書きする」「視聴しているTV番組に関連したボーナス機能が自動的にスマートフォンやタブレットに現れる」「手元のタブレットでスワイプ/ピンチなどを使ってTVでWebブラウジングする」といったことが可能になる。年内のサービス提供開始を目指す。

SmartGlass用に同社は、Windows 8、Windows Phone、その他のポータブルデバイス用のSmartGlassアプリケーションを用意し、さらに今年秋にXbox用Webブラウザ「Internet Explorer for Xbox」(Xbox LIVE Goldメンバー向け)をリリースする。

SmartGlassの狙いは2つ。まず双方向性を高め、エンターテインメントやコンテンツとユーザーの結びつきを強める。Lisa Worthington氏(インタラクティブエンターテインメント事業担当シニアPRマネージャー)によると、SmartGlassはユーザーがTVを視聴している時に別のデバイスがユーザーの手元にあることを認識し、SmartGlassアプリが手元のデバイスとXboxの連携を実現する。例えば、HBOの人気TVシリーズ「Game of Thrones」では、SmartGlassを通じて視聴者は手元のデバイスで、出演者やロケ場所のデータ、ファミリーツリーといった情報、双方向マップなどにアクセスできる。

ビデオ、音楽、ゲーム、SmartGlassなど4つのMetroスタイルのアプリを含む「Xbox on Windows 8」では、Windows 8ベースのデバイスでも友達と対戦してゲームの実績を積め、またXboxと音楽、TV番組・映画などを共有できる。Windows 8デバイスで映画を鑑賞し始め、TV(Xbox)に切り替えると自動的に続きから再生されるといったことが実現する。「SmartGlassアプリは他の主要プラットフォームもサポートするが、Windows 8デバイスでの体験がベストである」と、Yusuf Mehdi氏(インタラクティブエンターテインメント事業担当CMO)は述べる。

Xbox on Windows 8

SmartGlassのもう一つの狙いは、WebのTVへの拡大だ。TV用のWebブラウザはすでに数多く存在するが、TV用のリモコンやゲーム用のコントローラはブラウザ操作向けではなく、またキーボード/トラックパッドもTVに適した手軽な操作デバイスとは言い難い。SmartGlassを使えば、タブレットやスマートフォンからタッチ操作で直観的にTVのInternet Explorer for Xboxをナビゲートできるという。またKinectを備えたXbox 360では、音声を用いたWebブラウジングが可能になる。

Internet Explorer for Xbox

同社は昨年Bingの音声検索をXboxでも提供し始めたが、今年、同サービスの提供国に日本、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、オーストラリアなど12カ国を追加する。プレス向けイベントでは、Xbox 360/Windows Phone/Windows 8向けの新しい音楽サービス「Xbox Music」のプレビューを披露。またNBA Game Time with NBA.com League Pass Broadband(米国)やNBA League Pass(米国以外)、NHL GameCenter LIVE(グローバル)、ESPN(米国)などのスポーツコンテンツ、楽天ショータイムを含む35以上のコンテンツパートナーなどが今年Xboxに加わることを発表した。

Xbox Music