初期株式公開に向け準備を進めている米Facebookがこのほど、米証券取引委員会(SEC)に改訂書類を提出した。同社はここで目標株価を28~35ドルと記すとともに、米Yahooをはじめとした特許係争についても今後拡大するリスクを示唆した。あわせて、同社は投資家向けの動画を公開し、メッセージを打ち出している。
株式については、クラスA普通株1億8,000万株を1株当たり28~35ドルで売り出す予測を示した。FacebookはNasdaqに上場し、ティッカーシンボルは「FB」となる。Facebookの株式は今月中に取引開始と予想されている。
この書類からもう1つ明らかになったのが特許問題だ。同社は3月、Yahooから10件の特許を侵害しているとして特許訴訟を提訴されている。Facebookは他社から特許を買い集めると同時に4月初めにYahooを逆提訴しているが、4月末にYahooが2件の特許を訴訟に追加したことを報告している。
4月23日には、Yahooより書簡を受け取ったことも明かしている。この書欄でYahooは、Facebookがデータセンターとサーバで利用している技術について16件の特許を侵害している可能性があると主張しているという。Facebookは2011年、自社データセンターの設計などをオープンソースにする「Open Compute Project」を立ち上げている。
Facebookは、知的所有権が関係した特許訴訟などが今後さらに増える可能性があるとし、これらはコストと時間の両方を費やすものであるとしている。書類ではこのほか、ユーザー数が9億人に達したことや最新の業績なども明かしている。
投資家向けに公開したロードショービデオでは、CEOのMark Zuckerberg氏をはじめ、COOのSherl Sandberg氏やCFOが登場し、30分以上にわたってFacebookのミッション、技術とプラットフォーム、広告などの戦略について説明し、長期的な可能性をアピールしている。