カシオ計算機は17日、NTTデータ、NTTドコモと共同で、集金や預かりといった渉外業務に特化した「渉外業務用スマートフォン」の提供を開始した。城北信用金庫全店に導入し、本日より本格稼働を開始する。

FOMAモジュールを搭載した「渉外業務用スマートフォン」

各社の役割として、カシオは業務用スマートフォンの開発、NTTデータは同社が構築運用を行う「しんきん共同システム」のノウハウを用いたシステム構築、NTTドコモはFOMAの通信網を提供するとともに、「スマートフォン遠隔制御サービス」の業務用スマートフォンへの対応をそれぞれ担当した。

端末の開発に当たっては、2011年3月より城北信用金庫 南千住支店の渉外担当者の協力のもとで試行運用を実施し、アドバイスに基づいた機能強化を行ってきたという。

従来の渉外業務では、専用のハンディターミナルと連絡用の携帯電話の複数の端末を用いて業務を行っており、担当者、信用金庫双方に管理の負担がかかっていた。ハンディターミナルと携帯電話の役割を統合した業務用スマートフォンの提供によって、複数端末所持の負担の軽減や機動性やシステム拡張性を生かした、渉外業務の拡大を見込む。

業務用スマートフォンの特長として、信用金庫の渉外業務に必要となる、通帳の磁気ストライプの読み込みが可能な「通帳MSリーダー」を、国内向け携帯電話として初めて搭載した。また、リアルタイムで講座残高や取引履歴などの情報の参照が可能なほか、印鑑サーバーと連携して口座印影照会も実現する。

国内向けの携帯電話・スマートフォントして初めて「通帳MSリーダー」を搭載する

長時間運用に耐えうる堅牢性や、ドコモの「スマートフォン遠隔制御サービス」による遠隔ロックや端末内データの遠隔削除に対応する。「しんきん共同システム」との親和性が考慮されており、従来のサーバーとの連携や従来の端末機器との併用も可能。

城北信用金庫への導入を皮切りに、今後は全国の信用金庫に向けて展開し、2014年度末までに10,000台の販売を目標とする。

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