Broadcomは、企業および無線クラウドネットワーク、通信事業者アクセス網におけるギガビットの高速通信の需要拡大に対応する5G WiFi SoC「BCM43460」を発表した。

同製品はIEEE 802.11ac ドラフト 3×3準拠のSoCで、前世代の802.11n ソリューションと比較して通信速度を3 倍、電力効率を6倍向上させることが可能。MAC/PHY(物理層)/無線を1チップに内蔵、2.4/5GHzに対応しており、企業や通信事業者のアクセスポイント、支社のルータ、事業向けの統合サービスルータなどに最適化した製品と同社では説明している。特にエクスプリシット・インプリシット送信ビームフォーミング技術などの機能により、特にスマートフォンなどのシングルアンテナの端末を含む企業ワイヤレスネットワークの伝送距離、通信範囲、ネットワーク効率を格段に向上させることが可能だという。

また、エアタイムフェアネス機能により、様々な速度のWi-Fi端末が混在する高密度の環境に対応し、高いパフォーマンスを実現することが可能なほか、高度なスペクトル解析機能により、詳細なRF解析とリアルタイムの無線LAN情報を組み合わせることで、パフォーマンスの問題解決をリアルタイムで行うことを可能としており、これにより、企業におけるネットワークの干渉を細かく監視し、より信頼性が高く整合性のとれたワイヤレスサービスを実現することが可能になるという。またWPA、WPA2、ハードウェア・アクセラレーションに対応するAES暗号化/復号化、TKIP、IEEE 802.1Xなどの業界標準に基づくシステムサポートによる最新のセキュリティ機能も提供している。

なお、同製品はすでにサンプル出荷を開始しており、量産出荷は2012年後半を予定している。

企業および無線クラウドネットワーク向け5G WiFi SoC「BCM43460」