Mozilla Foundationが12日(米国時間)に「Firefox 2012 戦略とロードマップ」を公開した。Webアプリストアの統合、Homeタブの実現、自動アップデートやデータ同期の強化、ユーザー中心のアイデンティティ・システムなど。非営利組織という公正な立場から、Webコンピューティングの基盤となるブラウザ作りに取り組む。OS対応で、新たにWindows 8 Metro版が提供されることが明らかになった。

第1四半期のアップデートでは互換性が強化される。Firefox 11をターゲットにChromeからのデータ・インポートを実現し、Firefox Syncにアドオン同期を追加する予定だ。

第2四半期にはタブ機能が新しくなる。Firefox 13をターゲットに、Firefox Home Tabを提供する。これはFirefoxのデータ管理の起点として機能し、Firefoxに統合されるWebアプリストア「Web Apps Marketplace」のラウンチャー・ページにもなる。またスピードダイヤルのようなショートカット・タイルを通じて、新しいタブからお気に入りのWebサイトにユーザーが素早くアクセスできるようにする。ショートカット・タイルの作成には、Webページへのアクセスを手助けするスマートロケーションバー(Awesomebar)の学習機能が用いられる。リリースターゲットは未定だが、Silent Updateの実現も計画されている。アップデートが完全にバックグラウンドで動作し、Windowsの管理者パスワードやUAC画面も現れなくなる。ほかにも、スクローリングの刷新でスクロールがより滑らかになり、セッションリストアも見直される。プリフェッチ "de-optimization"への対応でWindows版のスタートアップ速度が大幅に短縮されるなど、パフォーマンス強化も数多く計画されている。MicrosoftがWindows 8 Consumer Previewと、その開発者向けドキュメントを予定通りリリースした場合、MozillaはFirefox for Windows 8 Metroのコンセプト証明を提供するという。

2012年後半には、インラインPDF表示、プラグインのシームレスなインストール/アップデート、プラグインの"click to play"機能、様々なWebサイトへのログインをFirefoxアカウントにひも付ける「Log in to Firefox」、ソーシャルネットワーク機能「Firefox Share」、翻訳サービスの統合、アドオンの性能インジケータ、Webサイトベースのパーミッション管理などの実現が計画されている。JavaScriptエンジンがIonMonkey(コードネーム)に刷新され、ネットワークキャッシュも新しくなる。

順調に進めば、2012年後半にFirefox for Windows 8 Metroのアルファ版およびベータ版が登場する。アルファ版は基本的なブラウジング機能を示し、ベータ版はv1.0に近い機能を備える。