近藤科学は1月10日より、同社のホビーロボット用モーション作成ソフトの最新版「HeartToHeart4」(HTH4)を「Ver.2.0」(V2)にメジャーアップデートを実施し、無料ダウンロードを開始した。「HeartToHeart5」といっても過言ではないほど新機能の追加と改良が施されており、使い勝手がよくなっているのが、今回のアップデートの特徴だ。V2が対応しているロボットは、2足歩行ロボット「KHR-3HV」や多脚ロボット「KMR-M6」など、コントロールボード「RCB-4HV」を搭載した機種となっている。

V2はプログラミング言語を一切使用せず、パネルを並べてパラメータを設定するだけでモーションを作成できるビジュアルライクな仕様だ。さらに、この方式でもモーション作成が難しいと感じる人にとっては、ロボットに実際に取らせたいポーズを取らせた上で、そこからモーションデータを作成する教示機能やセンサの制御機能なども有しており、入門者向けのモーション作成ソフトとなっている。

V2の改良点だが、まずメイン画面に関しては、「プロジェクト設定」画面と、「POSコントロール」の「Sync」ボタンがメイン画面に移行してきたことが1つ。それにより、SyncをONにしたままの作業できるようになった。また、「ホームポジション」ボタン、「トリムポジション」ボタンが追加され、1クリックでポーズの変更も可能となっている。

モーション編集画面(画像1)に関してもいくつも新機能や変更が施された。まず、「アンドゥ・リドゥ」が用意されたことで、使い勝手がよくなった。接続ラインのデザインが一新されて見やすくなり、接続ライン上に折れ点(アンカー)が付けられるようにもなっている。

画像1。モーション編集画面

さらに、複数のコントロールを同時に選択して移動や拡大・縮小ができたり、コントロールの色・名称・大きさなどを簡単に変更できるようになったり、多くのメニューがショートカットキーで呼び出せるようになった。

そしてモーション一覧に関しては、登録可能なモーション数が従来の50から倍以上の120に大幅増。登録可能なボタンデータの数も、25から32となった。さらに、モーション使用率も表示されるようになった点もポイントだ。

プロジェクト設定画面(画像2)ではセッティングをより行いやすいようにと、「プロジェクト設定」、「サーボモーター設定」、「トリム調整」、「ミキシング」の画面がそれぞれタブで分割されるようになったのが大きい。さらに、プロジェクト名をロボットに対して書き込み・読み出しができるようになり、ロボットに書き込んだプロジェクトがわかるようになった。

画像2。プロジェクト設定画面

指定した電圧を下回った場合に自動的に再生するモーションを3個選べるようになったほか、任意の項目と閾値を選択して再生する優先モーションを10個選べるようになったり、スタートアップモーションをプロジェクト設定で選べるようになったりと使い勝手の改良がここでも行われている。

またコントロールに関しては、10以上が追加された(画像3)。モーションの途中にアンカー(目印)を挿入することでモーションの途中へモーションジャンプできる「Anchor」や、タイマーをセットして指定した時間になると分岐する「Timer」や「CmpTmr」、任意の文字列をCOMから出力することでロボットがメッセージを出力できる「Anystring」などである。これらを駆使することで、従来にはなかったモーションを作成できるというわけだ。

画像3。新規に13のコントロールが追加された

そのほか、「POS」画面のボタン配置が前バージョン「HeartToHeart3」と同じになり、リンク機能の画面レイアウトがPOSと画面と同じになるなど、レイアウトの変更も実施。さらにPOSに関しては、新規POSが前に編集していたPOSの内容を自動で反映するようになったり、分割機能を使えるようになったりといった改良も施されている。

そして、拡大・縮小が簡単に行えるようになり、最小・最大寸法も変更。コントロールに接続できる接続ラインの本数も、分岐コントロールを除けば無制限になった。オンライン再生で分岐内用を再生できるようにもなっている。

なお、システム設定ウィンドウ(画像4)が追加され、「Syncボタンは必ずONにしておく」、「前回のプロジェクトを自動的に読み込む」など、ユーザーにあった設定にすることが可能だ。また注目すべき点として、トリムデータを除いてプロジェクトの書き込みを行えるようになった点などもある。つまり、ほかのロボットからプロジェクトを移植してもトリムだけは自機のままにできるというわけだ。

画像4。システム設定ウィンドウ

KRC(送信機)コマンダに関しては、送信機と同じ操作をV2の画面内で行うことができ、ボタンを押したままの状態も再現できるので、有線で使用すれば作成中のモーションをボタン操作と同じようにテストが可能だ。それから、ゲームパッドなどを読み込めば、Bluetooth経由でのボタン操作も行える。

そのほか、多数の機能が新たに追加や改良されているので、近藤ユーザーは即ダウンロードすることをオススメする。なお、対応OSは、Windows XP(SP2以降)、Windows Vista(32bit、64bit)、Windows 7(32bit、64bit)に対応している。また、以前のバージョンのHTH4はアンインストールしてからV2をインストールすることが推奨だ。