女優の宮沢りえが5日、東京・渋谷のBunkamuraシアターコクーンで行われた主演舞台『下谷万年町物語』の公開稽古に参加した。

主演舞台『下谷万年町物語』の公開稽古に参加した宮沢りえ 拡大画像を見る

同舞台は、1981年に作・唐十郎、演出・蜷川幸雄で上演され、蜷川が「最高のキャストを得た」として再演が決定。唐が幼少期を過ごした下谷万年町(現在の東京・台東区北上野)を舞台に、社会の底辺で力強く生きる人たちを描いた悲喜劇で、宮沢は100人の男娼を率いる男装の麗人・キティ瓢田を演じる。

この日は、青年(藤原竜也)と少年(西島隆弘)が見守る中、キティが男娼たちの住む長屋内を縦横無尽に駆け回るシーンの稽古が行われ、宮沢は歌と踊りを披露。男娼たちも顔負けの存在感を示し、汗でびっしょりになりながら熱演した。

報道陣の取材に応じた宮沢は「エネルギーが必要な役ですが、興奮して力がみなぎっています! 見た人が周囲に自慢できるような芝居をお見せしたい」と意気込んだ。蜷川の厳しい演技指導にも「愛のある檄をいただきつつ、稽古場は愛にまみれていて、とても気持ちがよかったです」と満足げ。藤原は「作品を盛り上げる重要な役で、不安もありますが興奮しています。このメンバーだからこそ、落ち着いて初日を迎えられますね」、西島も「伝えるべきことを伝えていきたい」と、それぞれが真剣に語った。

左から、蜷川幸雄、西島隆弘、宮沢りえ、藤原竜也、唐十郎

同舞台は、本物の水が入る大きな池を使った演出が見どころの一つ。蜷川は「劇場を汚す喜びにあふれています。わくわくしますね。こんな芝居は、今後2、30年は誰もできないんじゃないかな」と自信を見せていた。

『下谷万年町物語』は、Bunkamuraシアターコクーンにて1月6日~2月12日の期間で上演される。