ゼットエムピー(ZMP)は12月9日、米ハーバード大学で開発され、スイス連邦工科大学発の企業であるK-Teamによって製造されている超小型群ロボット「Kilobot」(キロボット)の日本での販売を発表した(画像1)。同社が日本国内では独占販売を行う。同日から受注を開始しており、納品は2012年3月からとなる。

画像1。Kilobotは直径33mm、全高34mmという、5cm四方にも満たない超小型サイズのロボット

Kilobotは直径33mm、全高34mmという超小型ロボット(画像1~3)。リチウムポリマー電池を搭載し、2つの独立制御が可能な振動モータで移動する仕組みだ。赤外線通信により、近くのKilobot同士で相互通信を行うで群ロボットとして活動できることも特徴である。

画像2。Kilobotを正面から。2つの独立制御が可能な振動モータを利用して移動することができる

画像3。Kilobotをひっくり返したところ

用途としては、多数のKilobotを利用することで、災害時のガレキの下から生存者を発見したり、環境をモニタリングして有害物質を除去したりといった目的の研究に利用できる。

そのほか、255段階の高精度モータ制御が可能なこと、周囲を光センシングできること、RGB LEDを搭載していること、ソフトウェア「Kilobotコントローラ」(画像4)により多数のKilobotのプログラミング・制御が可能といった特徴を持つ。

画像4。Kilobotコントローラの画面

価格は10個パックで、12万750円(税込)。Kilobotコントローラが5万3550円(税込)、充電器が1万9950円(税込)、サポートパッケージ(1年間)が1万7850円(税込)となっている。また、2011年12月14日までは10%割引きのキャンペーンを実施中だ。

また、スペックは以下の通り。

スペック

プロセッサ:ATmega 328(8bit@8MHz)
メモリ:32KB Flash(ユーザプログラミング、ブートローダ)、1KB EEPROM(キャリブレーションデータなど)、2KB SRAM
バッテリ:充電式リチウムポリマー電池(3.7V)
充電:Kilobot充電器により一度に10個までのKilobotの充電が可能
通信:赤外線により近くのKilobotと相互通信可能(7cmまで)
センシング:赤外線通信の強度によりKilobot間の距離計測が可能
動作:独立制御可能な2つの振動モータにより差動駆動可能。各モータは255段階で制御可能
ライト:RGB LED(上方に発光)を搭載。明るさは3段階で制御可能
寸法:直径33mm、高さ(脚を含む)34mm
ソフトウェア:Kilobotコントローラソフトウェアにより、プログラムファイル、コントロールファイルの送信が可能
プログラミング:C言語によるプログラミングに対応。基本的な機能(モータ速度、LED制御、距離測定など)のAPI、サンプルプログラム付属。(オープンソースのソフトウェア開発環境WinAVRを使用)
デバッグ:シリアル通信