テクノロードは11月8日、2足歩行ロボット用物理演算シミュレータ「Go Simulation!」(画像1)の価格改定とマイナーバージョンアップ、そして同ソフトの公式ファンサイト「シミュ研!」がオープンしたことを発表した。同ソフトは2010年9月に発売され、国内最高峰の2足歩行ロボット大会「ROBO-ONE」のシミュレーション部門大会「ROBO-ONE on PC」における公式ソフトウェアである。

画像1。2足歩行ロボット用物理演算シミュレータ「Go Simulation!」のパッケージ。価格が約3分の1の6500円(税込)に改訂された

まず価格が1万8000円から、6500円へと3分の1近い額に変更。従来は、専門家をターゲットとしていたということだが、もっと安価なら購入したいという声があったことから一般への普及を考慮してこの価格に設定したという。購入はDL-MARKETでのダウンロード販売で、一部店舗での販売もある。価格改定は11月8日から実施済み。

そして、今回はマイナーバージョンアップということで、バージョン1.1となった。バグフィックスが行われたほか、新機能が2つ追加されている。1つは、効果音を入れられるようになったこと。もう1つが、弾丸の表示時間も変えられるようになったことだ(弾丸によって攻撃するというアクションをロボットにシミュレーションさせることも可能)。なお既存ユーザーは、無償でアップデートが可能となっている。

同ソフトでは物理演算を行っているため、ロボットにバランスが崩れるような動作をさせれば当然転倒してしまうし、障害物を設定してそれらを倒すといったことも可能だ。また物理演算シミュレータというと、非常に高度な専門的な知識が必要なイメージがあるが、インタフェースを工夫したことで、一般のユーザーでも簡単に操作できるようになっている点も特徴となっている。

主な機能は、3Dモデルデータ作成、モーション作成および編集、ロボットの動作シミュレーションなど。物理演算APIには、ロボット系学会の論文でも多く使用されいている「Open Dynamics Engine」が採用されている。

3Dモデルデータの作成は、設計エディタでロボットのサイズ・重量・関節・サーボモータなどを細かく設定して行う形だ(画像2)。市販されているロボットや自作ロボットのデータを入力してシミュレーションすることも可能なら、アニメや特撮などのロボットもパーツごとのサイズや重量を割り出して入力しさえすれば、それらの動作シミュレーションも可能となっている。なお、3DCGソフトやCADソフトで作成したロボットのSTLもしくはX File形式のポリゴンデータを取り込むことも可能だ。

モーション作成と編集は、ロボットのポーズをタイムラインに並べていくだけで、簡単にロボットのモーションを作成できるという内容(画像3)。その一方で、上級者向けにロボットの行動制御をスクリプト言語で記述できる機能も用意されている。

画像2。3Dモデルデータの作成画面

画像3。モーション作成と編集画面

シミュレーションでは、登録したロボットを動かすことが可能で、ゲームモードを搭載している点が特徴的(画像4~6)。障害物コースを走るタイムトライアルに挑んだり(コースの設計ももちろんユーザーが行える)、2台のロボットで対戦格闘したりといったことができる(バトルステージの設計もユーザーが行える)。それらのシミュレーション結果は動画としてAVI形式で保存することも可能だ。

画像4。障害物走。コースもユーザーが自分で設計できる

画像5。ロボットバトル。有効なモーションの開発や、戦法の確認といった使い方にも使える。また、バトルステージも設計可能だ

画像6。ロボットサッカーのモーション作成などにも利用可能だ

そして、市販ロボットのモデルデータが収録されている点もポイント。現在収録されているのは、近藤科学製「KHR-3HV」、同「KHR-2HV」、同「KHR-1HV」、エイチ・ピー・アイ・ジャパン製「G-ROBOTS」の4機種となっている。

さらに、機能制限はあるが無料デモ版も配布中だ。設計機能を使用できないこと、Bot(CPUプレーヤ)やステージデータはインストールされたもののみを使うことができる。また、ファンサイトのシミュ研!で公開されている一部のデータも使用が可能だ。

そのファンサイトのシミュ研!(画像7)だが、運営はロボットイベントの運営などで活躍されているアニメイダー氏によるもの。シミュレーション研究部で同ソフトを使うというストーリーのもと、使い方の解説が掲載され(画像8)、ロボットアニメに登場しそうなオリジナルロボットのデータもダウンロードできるようになっている(画像9)。

画像7。Go Simulation!公式ファンサイト「シミュ研!」のトップページ。(C) シミュ研!

画像8。シミュ研!内の、Go Simulation!の使い方、同サイトからダウンロードしたロボットのデータをインストールする仕方などの解説がなされている。(C) シミュ研!

画像9。シミュ研! オリジナルのロボットデータも用意されている。カッコよい。(C) シミュ研!

なお、動作環境は以下の通り。

OS:Windows XP SP2以上、要Net Framework 3.5
CPU:Pentium 4 2GHz相当以上
グラフィック:OpenGL 1.5以上対応またはチップセット
解像度:1024×768
メモリ:256MB以上
HDD:100MB以上
ネットワーク;インターネット接続