NXP Semiconductorsは、同社のARM Cortex-M0搭載マイコン「LPC1100ファミリ」に、新たにピン数の少ないパッケージオプション(SO20/TSSOP20/TSSOP28/DIP28)を追加することを発表した。これにより、これまでパッケージのフットプリントや製造上の制約などといった理由から、従来の32ビットマイコンでは実現できなかったより広範な用途を可能にすると同社では説明しており、対象とする用途には、ヒューマン・インタフェース・デバイス(HID)やコンシューマアプリケーション、アラームシステム、小型電化製品、簡易モータ制御などが想定されている。

同パッケージオプションを用いることで、一般的な8/16ビットマイコンの性能が1~5MIPSであるのに対し、50MIPSを実現しつつ、価格は1万個で0.49ドルから、1MIPSあたり0.01ドルを実現することが可能になる。また、2012年には0.40ドルを切る32ビットマイコンソリューションの投入を予定しているという。

LPC1100シリーズは高度なアルゴリズムを少ない消費電力で実行でき、8ビットマイコンラが実現に苦慮しているセンサとのインタフェースや複雑なコントロールタスクの実行など、厳しくなる一方のコスト重視のアプリケーションの要求に対応でき、例えば、16ビット乗算を8ビットマイコンで実行した場合、770μA/MHz以上で48クロックサイクルが必要だが、LPC1100では同じタスクを1サイクル130μA/MHzで実行できるようになるとも説明している。

なお、同パッケージオプション品は2011年11月よりサンプル出荷を開始する予定だとしている。

LPC1100LのSO20パッケージ品のイメージ