パイオニアは25日、自転車専用サイクルナビゲーション「ポタナビ」(SGX-CN700)の発表会を行った。2月の発売を予定しており、価格はオープン。推定市場価格は4万円前後となる見込みだ。カラーはホワイトとブラックの2色が用意される。
ポタナビは、自転車専用のナビゲーションにサイクルコンピューターの機能を融合させたものだ。同社では、全国に約7,000万人いる自転車の利用者を細かくセグメント。自転車を単なる移動手段としている利用者、レースなどへの参加も視野に入れた本気の利用者、そしてその中間に位置する自転車を軽いスポーツや趣味とする利用者に分類している。ポタナビは、その中間層をターゲットとしている製品だ。
名前の「ポタナビ」は、自転車による散策「ポタリング」をナビゲートするという意味から付けられている。近所にあるスポット情報などを提示することで、今まで気が付かなかった場所にちょっと寄り道するようなケースを想定しているとのことだ。
本体サイズはW60×D18×H90mmで、重量は約100g。自転車のハンドル部分にはクレードルを装着し、そこにワンタッチで取り付けられる。バッテリーは充電式で、1回の充電で最大10時間の連続使用が可能だ。ディスプレイは2.4型で、屋外でも視認性が高い半透過式液晶を採用。本体はIPX5相当の防滴構造となっている。
動作モードは、「マップモード」「ポップアップモード」「ダイエットモード」「メーターモード」の4種類。マップモードは通常のナビに近いモードで、画面には地図が表示される。地図の縮尺は50mスケールから20kmスケールまでの5段階で、国内全域をカバーする。ポップアップモードは、現在の天気や周囲のスポット情報、進行方向にあるランドマークなどをリアルタイムに表示するモードだ。ダイエットモードは、ペダルの回転数を検知するセンサーからの情報を基に、消費カロリーを表示するモード。メーターモードは、走行距離や速度、消費カロリーなどを一覧表示し、どのような項目を表示させるかは、ウェブ上からユーザーが設定することが可能だ。ダイエットモードとメーターモードは、ナビというよりもサイクルコンピューターに近い動作となる。
マップモードでは、「ポイントライン表示」「タイムサークル表示」の2種類の表示を利用できる。ポイントライン表示は、出発地と目的地とを結ぶラインと現在地とを地図上に表示するモードだ。タイムサークル表示は、指定した時間までに往復可能な範囲を地図上に表示するというものだ。
ポタナビはいわゆるナビの一種ではあるが、自転車専用の機能が追加されているのと同時に、一般的なナビの機能のうち、取り除かれているものもある。例えば、自動車用のナビには当然搭載されているルート案内や、交差点での拡大表示といった機能は搭載されていない。これは、安全性を考慮したための仕様で、走行中ではなく、一時停止中に使用することを前提としているためだ。音声案内機能も搭載されていない。目的地や出発地の登録は本体からは行えず、PCなどを利用してウェブ上で行う。ポタナビにはNTTドコモの通信モジュールが内蔵されており、ウェブ上での設定はポタナビ本体のみで反映させることが可能だ。なお、製品には2年間分の通信料金が含まれている。