ICT総研は10月4日、パーソナルクラウドサービスの利用意向に関する調査結果を発表した。同調査は、クラウドサービス事業者、関連企業への取材、インターネットユーザー5,600人へのWebによるアンケート調査の結果をまとめて分析したもの。

同社の調査によると、2011年3月末のパーソナルクラウドサービスの利用者数は1,472万人、そのうち有料サービス利用者は232万人に達している。

同調査におけるパーソナルクラウドサービスの利用者の内訳は、Googleが16.4%、Windows Liveが14.2%、Evernoteが6.3%、Dropboxが5.6%、Mobile Meが4.6%となり、利用者の満足度では、Googleの無料版クラウド利用者が68.1ポイント、有料版クラウド利用者が60.1ポイントと最も高い満足度を示している。

パーソナルクラウドサービス利用者の満足度 資料:ICT総研

同社は、次に注目すべき点としてアップルの動向を挙げている。アップルはMobile Meのパーソナルクラウドサービスを全面的に刷新し、iCloudサービスを開始すると発表した。同調査によると、iCloud有料サービスの利用を検討している人は2.6%、無料版サービスを検討している人は20.1%に達した。無料版サービスも含めての利用意向で見れば、iCloudには日本国内だけで1,000万人を超える潜在ユーザーが存在すると想定される。

iCloudの各サービスの利用意向 資料:ICT総研

ICT総研によると、2011年度のパーソナルクラウドサービスの利用者総数は33%増の1,965万人、2015年度には2010年度比3.8倍の5,601万人に達する見通し。利用者の増加に伴って有料サービスの市場規模も大幅に拡大し、2010年度の126億円から、2011年度には194億円、2015年度には574億円に達すると予測されている。

さらに同社は、「これまでは端末とアプリの優劣がICT市場を制してきたが、クラウド時代に移行する過程では、膨大な情報を処理するデータセンターの能力、高速データ通信を提供できるネットワークインフラの重要性が増す。Google、マイクロソフト、アップルなど米国の大手ベンダーがこの分野に多額の投資を行い、パーソナルクラウド市場の覇権獲得に向けてさまざまなサービスを提供していく」と分析している。

パーソナルクラウドサービスの市場規模(2010年から2015年) 資料:ICT総研