米Texas Instruments(TI)は、1GHzで駆動しつつ消費電力を2W未満に抑えることで、ファンレス動作を可能にするARM Cortex-A8コア採用MCU「AM387x」を発表した。

AM387xはCortex-A8コアに加えて、最大25Mポリゴン/秒の描画能力を持つ3Dグラフィックエンジンを搭載するほか、HDMIを含むHD/SD解像度をサポートしたディスプレイ出力も内蔵する。他に、FPGAなどとの接続のために利用できるPCI Express(PCIe) 2.0レーン、IEEE1558に対応したGbEポート×2、Dual D-CAN、USB 2.0ポート×2(PHY含む)、SATA II/3Gポート×2(PHY含む)、MMC/SD/SDIOポート×3などの高速インタフェースも統合される。加えて複数のカメラ接続I/Fを搭載する。対応メモリとしては、LPDDR1/2/3 I/FをDual Channelで装備し、最大800MHzで利用可能である。

開発環境としては、同社よりEZ SDK(Software Development Kit)が無料で提供される。またEZ SDKと組み合わせて利用できるEVM(EValuation Module)としては同社が3月に発表した「DM814x DaVinci DMP(Digital Media Processor)」がそのまま利用可能である。AM387xはDM814xとピンおよびソフトウェアコンパチブルが保障されている。

現在、サンプル出荷が開始されており、1000個発注時の価格は1個あたり23.85ドルである。また開発に利用できるDM814xのEVM(TMDXEVM8148)は2,249ドルで提供されている。AM387xの対応OSは、Linuxに関しては同日より提供されており、他にTIからAndroidとWindows Embedded CE 7のサポートが2011年第4四半期に予定される。またQNXおよびVxWorksも、やはり2011年第4四半期に対応を行う予定である。

「AM387x」の機能ブロック図