ANAは、グループ全客室乗務員(約6,000名)にiPadを1人1台配布すると発表した。2011年10月より、一部の客室乗務員(約700名)による運用トライアルを開始し、2012年4月より全客室乗務員がiPadを携行するという。

これにより、客室乗務員は従来の紙マニュアルに替わりiPadを携行することで、最新マニュアルをいつでもどこでも参照できるようになるほか、乗務前の円滑な準備と知識習得が容易になり、同時に、ペーパーレス化により印刷費用を削減できるという。既存の紙マニュアルは、一人当たり3冊携行し、合計2.1kgであったが、iPadにすることで、重量は0.7kgになる。

マニュアル管理業務改革

また、現行の集合形式中心の教育訓練からiPadを活用した自己学習形式を取り入れることで、訓練施設に出社せずとも知識習得が可能となるほか、訓練・教育教材を電子化することで、より容易に「いつでも、どこでも」知識習得が可能となり、訓練期間の短縮を実現する。

教育訓練業務改革

そのほか、音声や動画を活用した乗務マニュアルや業務ノウハウを共有できる教育教材を作成し、iPadに搭載。これにより、客室乗務員の業務習熟の早期化とスキル向上をサポートし、同社の経営戦略である「アジアNo.1」の機内品質を早期に実現するという。

今回の乗務マニュアルや映像や音声などの配信には、ソフトバンクテレコムのクラウドサービス「ホワイトクラウド ビジュアモール スマートカタログ」を利用し、端末ごとに必要なセキュリティ対策では、「ソフトバンクテレコム ビジネス・コンシェル デバイスマネジメント」を使って行う。また、ソフトバンクテレコムは、最新の乗務マニュアルがネットワークを通じていつでもダウンロードできるよう、羽田、成田、伊丹、福岡の各空港内にWi-Fi環境を構築し、ANAの業務効率化をトータルで支援するという。