ルネサス エレクトロニクスは1月18日、ネットワーク機器向けの高速メモリとして576MビットのLow Latency DRAM5品種「μPD48576109」「μPD48576118」「μPD48576209」「μPD48576218」「μPD48576236」を開発したことを発表した。すでにサンプル出荷を開始しており、サンプル価格は5000円で、2011年後半より量産を開始する計画で、2012年には5品種合計で年間200万個以上の生産を計画している。

ルネサスのネットワーク機器向け576MビットLow Latency DRAM」「μPD48576218」

5製品は、自社の高速センスアンプ技術および低パワーメモリ技術を用いるとともに、動作時に活性化するメモリアレイ領域を最小限に留めるメモリ制御方式を採用することで、従来品比でデータ読み書きの高速化および消費電力削減を実現。これにより、従来品「μPD48288236」と比べ、メモリ容量を288Mビットから576Mビットへ2倍に大容量化するとともに、データを高速に読み書きするランダムサイクル性能を20nsから15nsへ25%向上させている。

また最大動作周波数も400MHzから533MHzへ33%高速化しながらも消費電力は従来品比で10%以上削減することにも成功している。

さらに、容量を増やしながらも従来品と同様の11mm×18.5mmのパッケージに封入しており、プリント基板の設計を大きく変更することなく、メモリの大容量化、高速化が可能となる。

5製品の違いはI/Oとビット幅。I/OはμPD48576109とμPD48576118がSeparate I/Oとなっており、残りの3製品がCommon I/Oとなっている。また、ビット幅はμPD48576109とμPD48576209が×9、μPD48576118とμPD48576218が×18、μPD48576236が×36となっている。

なお、同社ではQDR SRAM、Low Latency DRAM、TCAM(Ternary Content Addressable Memory)などのネットワーク機器向けメモリを提供しており、今後も同分野に向けたメモリの開発を推し進めることで、2009年度の同分野シェア40%を、2012年度には60%へ拡大したいとしている。