Texas Instruments(TI)は、同社の現行アプリケーションプロセッサ「OMAP4430」の機能強化を行った「OMAP4440」を発表した。携帯電話などの大量生産のワイヤレスOEM・ODM向け製品で、一般汎用向けではなく、サンプル供給は2011年第1四半期に、量産出荷は2011年後半にそれぞれ予定されている

OMAP 4プラットフォームは、1個のコアあたり1.5GHzのクロックで動作する2個のARM Cortex-A9 MPCoreプロセッサを搭載したSoC。Cortex-A9 MPCoreのほか、処理時間に厳しい要件を持つタスクや制御タスクの負荷を軽減する、補助的な2個のARM Cortex-M3コアも搭載している。また、3Dグラフィクス・エンジン「POWERVR」や高品位・複数の標準規格のビデオに対応する同社3画像エンジン「IVA」、高画質・高画素の画像処理を提供するISP(イメージ・シグナル・プロセッサ)、ローパワー・オーディオ・プロセッサおよび、「C64x」DSPをベースとして、各種のモバイル・アプリケーション向けに最適化されている。

OMAP4440は、OMAP 4としては第2世代に位置付けられるもので、従来品であるOMAP4430と比較して、エンド・ツー・エンドのグラフィクス・アクセラレーションの強化(トライアングル/秒、フィルレートおよびシェーダ演算)によりグラフィクス性能を1.25倍向上、1.5GHzに最適化された2個のCortex-A9コアによる総合性能50%向上ならびにWebページのロード時間を33%短縮、1080p60ビデオフォーマットのサポートによる1080pビデオ再生性能の2倍向上を実現している。

また、HDMI v1.4の各3Dモードをサポートすることで、3Dテレビへの1080p HD 立体3D表示(S3D)再生や1080pビデオ・カンファレンスおよびジェスチャ解析などへの対応も可能とした。

さらに、モバイル機器からのビデオ・テレカンファレンス体験もサポートしており、SkypeやGoogle Talkなどのチャット用のソフトウェア向けへのH.264やVP7、H.263、SVCなどのビデオコーデックのサポートによる1人のローカル・ユーザーと、もう1人のユーザーによるピア・ツー・ピアのチャット機能や1人のローカル・ユーザーと、他の最高4人までのユーザーによるマルチ・チャッ ト機能、アプリケーションの同時サポートのためのクラウド・アクセス(チャット中のWeb閲覧、文書の共有)などを行うことが可能となっている。