ルネサス エレクトロニクスは、PC周辺機器、携帯機器、健康機器などの民生機器や産業機器向けに、ローエンドマイコンにUSBホスト/ファンクション コントローラを搭載したフラッシュメモリ内蔵マイコン「R8C/34K」および「R8C/3MK」グループなど、合計4グループ8品種(12型名)を製品化したことを発表した。順次サンプル出荷を開始する予定で、サンプル価格は、例えば128KBフラッシュメモリ、10KB RAM内蔵の48ピンLQFPパッケージ品「R5F2134CKNFP」で1個あたり560円となってる。量産は2011年3月より順次開始し、2012年3月以降は4グループ合計で月産100万個を計画している。

フラッシュメモリ内蔵マイコン「R8C/34K」(左)および「R8C/3MK」(右)

同4グループの製品は、R8Cファミリとして初めてUSBホスト/ファンクション コントローラを搭載している。同USBホスト/ファンクション コントローラは、ホスト動作時の転送スケジューリングの自動転送機能など、CPUの負荷を減らすと共に効率の良い転送を可能とする機能を搭載している。

USBコントローラは、USB 2.0フルスピード(12Mbps)仕様に準拠しており、フレキシブルな5本の通信パイプにより構成され、それぞれのパイプに独立したFIFOメモリ(合計448バイト)を内蔵することで、システムの用途に応じてダブルバッファ/シングルバッファおよび通信方向をソフトウェアで設定することが可能だ。このため、タッチパネルのようなPC周辺機器、通信機能を有するFA機器や健康機器など、さまざまなUSBアプリケーションに対応することが可能となっている。

同USBコントローラを、ホストとして使用する場合、USBフレーム内の空き時間を利用して、自動的に転送を繰り返し、効率の良いUSB通信を実現することが可能となる。また、転送スケジューリングをハードウェアで行なうため、CPU負荷を軽減することができるのも特長となっている。

また、ファンクションとして使用する場合、USB通信に必要な状態管理および、コントロール転送のステージ管理をハードウェアが行なうため、よりシンプルなソフトウェアでUSBホストとの通信が実現でき、ソフトウェア設計の工期短縮が可能となるほか、USB電源用のレギュレータを内蔵しているため、USBケーブルから供給される5V電源のみを使用した単一電源システムを、少ない部品で構成することが可能となっている。

さらに「R8C/34K」グループは、ホスト機能とファンクション機能をレジスタ設定で切り替えることができ、さらにUSB OTG(On-The-Go)にも対応が可能となっている。 このほか、「R8C/34K」グループは既存の「R8C/3xシリーズ」の特長を継承しており、消費電力を低減することが可能な、ウェイトモードおよびストップモードを有しているほか、標準動作モードにおいても、USBコントローラに必要な48MHzクロックを生成する内蔵PLLを停止できるため、USB未使用時の消費電力を低減することも可能となっている。