STMicroelectronicsは、次世代の家庭用オーディオ・ビデオ機器やSTBにおいて、オーディオに関する複数の改善を組み合せ、ユーザ体験の向上を図ることが可能なステレオ・オーディオ・アンプ「TS4604」を発表した。すでに量産出荷を開始しており、単価は1000個購入時で約0.75ドルとしている。

同製品は、100mWのステレオ・ヘッドホン・アンプ(1%THD+N、16Ω負荷時)とLCD/PDP-TV、STB、PVR、Blu-rayプレーヤおよびサウンド・カードなど、オーディオ製品用のラインアウト・ドライバを統合している。ステレオ・ライン・ドライバ出力電圧は2Vrms(全電源電圧)と、機能ごとの専用シャットダウン制御(1uA、ウェークアップ時間:30ms)を組み合わせることで、システムの低消費設計の実現を可能とする。

また、ステレオ・ヘッドホン出力およびステレオ・ライン・ドライバ出力に対する静止時の入力電流は5mAとなっているほか、電源電圧変動除去比(PSRR)は90dB(ヘッドセット/ライン・ドライバ出力)となっている。

さらに、外部要因により電源電圧が降下した際の可聴ポップ・ノイズやクリック音をセルフ・ミュート機能によって抑制し、リスニング体験を向上させることが可能。個々のアンプに負電圧を供給するチャージポンプ回路を内蔵しており、機器設計を簡略化してコストを低減することが可能で、ライン・ドライバ出力として最大2Vrmsが要求されるアンプの出力信号を、3.0V~4.8Vの外付け電源のみで維持することができるほか、ラインアウト回路用の高電圧電源も不要となっている。