Texas Instruments(TI)は、36V動作の1回路、2回路および4回路内蔵のオペアンプとして「OPAx140」「OPAx209」および「OPAx171」の3ファミリ9製品を発表した。

OPAx140は、同クラス初となるレール・ツー・レールの出力振幅および、4チャネル内蔵バージョンを実現したオペアンプ製品。高インピーダンスのセンサ信号のコンディショニング回路、医療用計測および精密データ・コンバータとのインタフェース回路をはじめとする、高精度および安定度を要求される各種アプリケーション向けに開発されたもので、最大120μVの低オフセット電圧特性と最大1μV/℃の低ドリフト特性を実現している。

また、11MHzのゲイン帯域幅および、20V/μのスルーレート特性を実現しているほか、5.1nV/√Hz(1kHz時)とクラス最小級のノイズ特性および、0.1Hz~10Hzで250nVppの低周波ノイズを実現している。

さらに、4.5V~36V(±2.25V~±18V)の電源電圧範囲で使用可能で、最大2mAの静止電流によって、同種の製品と比較して消費電力を13%低減することが可能となっている。

OPAx209は高精度オペアンプ・ファミリで、レール・ツー・レール出力、低電圧ノイズ密度および広ゲイン帯域幅を同時に提供するもので、自動試験装置、医療用計測およびプロフェッショナル・オーディオ用プリアンプなど、高速、高精度のデータ・アクイジション・アプリケーション向けに開発された。

2.2nV/√Hzと非常に低い電圧ノイズ特性および、0.1Hz~10Hzで130nVppと低ノイズ特性であることから、データ・コンバータとのインタフェース回路において高い分解能を実現することが可能だ。

また、同種製品の2倍である18MHzのゲイン帯域幅、16ビット精度、0.0015%でクラス最高級のセトリングタイム、最大150μVのオフセット電圧特性と低温度ドリフト特性による高いDC精度を提供しているほか、4.5V~36V(±2.25V~±18V)の電源電圧範囲で特性が規定され、低電源電圧動作によりレール・ツー・レールの出力振幅を提供することから、高いダイナミック・レンジを実現し、柔軟性のある設計が可能となる。

OPAx171は、汎用のオペアンプ・ファミリで、パワー・モジュール内のトラッキング・アンプ、商業用電源、トランスデューサ用のアンプおよびバッテリ動作の計測装置をはじめとする、実装面積に制約を持つ各種の工業用アプリケーション向けに、高コスト効率および低消費電力を提供するソリューションとなっている。

SOT553パッケージ(1チャネル内蔵製品)およびVSSOP-8パッケージ(2チャネル内蔵製品)で供給される36V動作のオペアンプで、SOT553は1.6mm×1.6mm×0.6mmのサイズで、SOT553パッケージの次に小型であるSOT23-5パッケージと比較して68%の基板実装面積低減を実現する。一方のVSSOP-8パッケージは2.3mm×2mm×0.9mmと小型で、SO-8パッケージと比較して78%の基板実装面積を低減する。

また、1チャネルおよび2チャネル内蔵製品は、SO-8パッケージで、また4チャネル内蔵製品はSO-14パッケージで供給可能となっており、既存の同種製品の代替が可能となっている。

さらに、2.7V~36V(±1.35V~±18V)の電源電圧範囲で特性が規定され、レール・ツー・レール振幅の入出力、クラス最高級の90dBのCMRR(同相モード除去比)を提供しており、低電圧のセンサ出力に使用した場合に、広い入力電圧範囲を実現できるほか、チャネルあたり475μA(typ)の静止電流により、電池動作の各種アプリケーションにおいて低消費電力を実現することが可能となっている。

なお、3ファミリの全製品はすでにサンプル出荷中を開始しており、OPA140ファミリはすでに1部製品で量産出荷を開始しており、1,000個受注時の単価(参考価格)は1.55ドルからとなっている。

また、OPAx209ファミリも、1部製品ですでに量産出荷を開始しており、1,000個受注時の単価(同)は0.95ドルからとしている。

さらに、OPAx171ファミリは2010年11月より順次量産出荷する予定で、1,000個受注時の単価(同)は0.40ドルからとしている。