米Googleは8月4日(現地時間)、コラボレーション/コミュニケーション・サービス「Google Wave」の単独製品としての開発を打ち切ることを明らかにした。GoogleフェローのUrs Holzle氏は「数多くの熱心なファンに支持されたものの、われわれが期待していたほどのユーザーの採用が見られなかった」としている。

Waveは2009年5月に開発者会議Google I/Oで発表された。電子メールとIM、ソーシャルネットワークも統合する革新的なリアルタイムコミュニケーションサービスとして大きな注目を集めた。開発者や招待ユーザーに限定したベータテストが始まると、すぐに申し込みが殺到。順調なスタートを切ったが、そこから一般ユーザーに浸透するきっかけをつかめなかった。トラベルガジェットやコードをチェックするロボットなど開発者側からのアプローチは引き続き見られたものの、今年5月にWaveが全てのGoogleユーザーに開放されても、一般ユーザーの間でWave利用の輪が広がるような動きが起きなかった。

GoogleはWaveのサイトを年内は維持し、他のGoogleプロジェクトで利用するために同技術を拡張する。Holzle氏は「ドラッグ&ドロップや文字単位のライブタイピングなどWaveの革新性の原動力である中核的なコードとプロトコルはすでにオープンソース化されており、われわれがスタートさせたイノベーションを今後も顧客やパートナーが継続していける」と述べている。