すっかり年末モードである。この時期、多くのベンダがその年最後の発表会を行うため、メディアの人間は連日取材に駆り出されることになる。今年最後ということで、どこの企業も力が入った内容の発表が多いが、今週1位となった記事の企業は、やはりその中でも飛び抜けていたことを実感させられた。

それでは12月5日(土)から12月11日(金)までの上位ランキング10記事を紹介していこう。

1位 【レポート】生きている日本語を使いたい - グーグルが日本語IMEを開発したそのワケは
2位 社長が選んだ"今年の社長"は60周年セールが話題のあの企業のトップ
3位 7割の若者がWord/Excelを使えない - MSがITスキルアップによる就労支援へ
4位 【レポート】オープンソース戦略でモバイルOS市場のトップをふたたび狙うSymbian
5位 【レポート】落ちるところまで落ちたらあとは上がるだけ - 旭山動物園名誉園長 小菅氏
5位 NTTファシリティーズら、24種類の太陽電池による太陽光発電の実証実験
7位 三洋電機、パナソニックによるTOB成立を発表
8位 【コラム】エンタープライズ0.2 - 進化を邪魔する社長たち - 第41回 オンラインゲームを禁止する理由。自分の影に怯える社長
9位 【コラム】欧州から眺めるITトレンド 第41回 Virgin Galacticが宇宙船「SS2」をお披露目へ - 初の宇宙旅行実現なるか?
10位 最も役に立つサポートサイト第1位はあのメーカーのデジタルカメラサイト

Googleはここ最近、連日のように新技術の発表を行っている。その数もすごいが、その内容も本当にすごい。つねにユーザの一歩先を行くアイデアを次々と具現化するイノベーションの力に、メディアの立場ながら心底圧倒されてしまう。その発表ラッシュの中でも、最も驚きと感嘆をもって受け容れられたのが今週1位の"Google 日本語IME"である。言葉は生き物という性質をみごとにIMEに反映したこの技術、今後の発展が非常にたのしみだ。

2位はファーストリテイリングの柳井社長が今年も"社長が選ぶ社長"の1位になったという記事。2位以下に圧倒的な差を付けてのトップである。元気のない日本企業が多い中、勢いのある会社としてのイメージを内外に強く印象づけた同社長、このまま不況が続けば来年も選ばれてしまうのでは!?

5位にはまったく同数のPVで、旭山動物園名誉園長の講演レポートとNTTファシリティーズらの太陽電池実験がランクインした。どん底の経営状態から日本一の来園者数を誇る動物園に育て上げた小菅氏、どんな状況でも言い訳をせずに、ひとつひとつ難関を乗り切ったその姿に、多くのビジネスパーソンが心を打たれたようだ。

あのリチャード・ブランソン氏による宇宙ビジネスがようやく本格化しはじめたようだ(9位)。Virgin Galacticがお披露目した宇宙船「SS2」による宇宙旅行、1回20万ドルながら、もうすでに予約が250名も入っていて、うまくいけば再来年くらいには実現するとか。一般人が手軽に宇宙旅行を楽しめるようになるまでには、まだ相当時間がかかりそうだが、それでも大きな一歩であることには違いない。

夢のある記事が多かった今週、こういうときは集計作業をしていても楽しい気持ちになる。不況で明け暮れた感のある2009年だが、せめて最後は明るい話題で埋めつくしたいものである。