独Infineon Technologiesは12月9日(現地時間)、SiPアプリケーションの包括的な設計環境についての研究を進めるために、Amic Angewandte Micro-Messtechnik、Fraunhofer Institute for Reliability and Microintegration(FHG-IZM)、Robert Boschの車載用エレクトロニクス事業部、Siemensのコーポレート・テクノロジー事業部とヘルスケア・セクターとの共同プロジェクト「CoSiP」を発足させたことを明らかにした。

同プロジェクト名は「development of compact, highly miniaturized and energy-efficient systems using the co-design chip-package system(共同設計チップパッケージ・システムの使用による、コンパクト・小型・高エネルギー効率・システムの開発)」の略称で、2012年末のプロジェクト完了を予定している。

同プロジェクトの一環として、パートナー5団体は、SiPのコンポーネント(1チップパッケージに集積された2つ以上のチップ)を、チップのマウントされる基板とともに開発することで、チップを基板に適合させることのできる新たな設計手法を考案する。パートナーらは、SiPの開発に必要な設計ツールの基盤の構築を目指すとしており、同成果により、SiP設計の開発期間は、従来比で1/3以上削減することができる可能性があり、Siemensでは医療技術への応用を、Boschは自動車業界での活用を狙う。

これまで、SiPの設計には、チップ、パッケージ、基板の3つの分野に分かれており、それぞれ独立した形で開発を行うのが一般的で、チップ開発とパッケージや基板の開発には関連性は無く、それぞれのコンポーネントの最適化作業も、独立した形で行われていた。しかし、Infineonらは、将来のシステム開発において、これらの相互依存の包括的な共同設計が要求されることになると考え、同プロジェクトを発足させたとしている。

同プロジェクトの運営資金の50%を参加する4社の民間企業が拠出するほか、独政府のハイテク戦略に即し、独連邦教育研究省(BMBF)の「情報通信技術2020(ICT 2020)」プログラムの一環として、残りの50%の資金拠出が行われる。部門横断型の技術としてマイクロチップの開発を促進すること、そして、情報通信技術の分野でドイツの技術的な指導力を確立・強化することが、同プログラムの目標となっている。

なお、同プロジェクトの作業は、欧州のMEDEA+プロジェクト「Chip/Package-System Co-Design - An Enabler for Compact System-in-Package Solutions(チップ/パッケージ-システムの共同設計および小型システム・イン・パッケージ・ソリューションの実現)」との協力により実行される。