イーソルは、NECエレクトロニクスのモバイルAV機器向けマルチメディア・プロセッサ「EMMA Mobile 1」を、イーソルのT-Kernelベースソフトウェアプラットフォーム「eCROS」がサポートしたことを発表した。eCROSとEMMA Mobile 1を組み合わせて利用することで、μITRONの次世代リアルタイムOSであるT-Kernelの特性を生かし、モバイルAV機器の起動時間や処理全体の高速化と省メモリ化を実現できるようになるという。

eCROSは、T-Kernel拡張版「eT-Kernel」を中心に、開発ツール、各種ミドルウェア、およびプロフェッショナルサービスから構成される組み込みシステム向けソフトウェアプラットフォーム。これにより、T-Kernelのリアルタイム性とコンパクト性を利用した、高速起動や高速処理が可能なモバイルAV機器を、小フットプリントで実現することができるという。

またeCROSでは、Linuxカーネルとほぼ同じレベルのOS機能もサポートしている。eT-Kernelは、μITRONと同等の機能をもつ「eT-Kernel/Compact」や、POSIX仕様に準拠し、ほぼすべてのPOSIX APIをサポートする「eT-Kernel/POSIX」を含む、スケーラブルな4つのプロファイルで構成されており、システムの要求仕様にあわせて適切なプロファイルを選択することが可能だ。このため、μITRONとLinuxのソフトウェア資産やエンジニアリソースを再利用可能であり、効率的なソフトウェア開発が可能になるという。

EMMA Mobile 1向けeCROSソリューションでは、音声や動画像などのマルチメディアデータ処理を行うモバイルAV機器に必要となる、一連のソフトウェアを用意。EMMA Mobile 1には、ARM1176JZF-S、マルチメディア データのデコード(伸張)を行うDSPコア、画像処理アクセラレータ、USBやSDなどの各種インタフェースなど、マルチメディアデータの再生に必要な機能が搭載されているが、これらUSBスタック、SDメモリーカードドライバといった、EMMA Mobile 1用の各種ミドルウェアとデバイスドライバも用意されている。