ルネサス テクノロジ ヨーロッパは、同社の32bit CISC MCU「R32C/111」にQVGAのTFT-LCDの駆動用回路基板を組み合わせた低コスト向けのソリューションを発表した。同ソリューションはR32C/111スターターキットに、同社のプラチナアライアンスパートナーであるSEGGERが提供するTFTアドオンボードを組み合わせたものとなる。
標準的な周辺回路と高容量RAM/Flashを搭載し、QVGAドライバを追加したR32 MCUは、その他の外部回路を一切必要としないために、システムコストを低く抑えることが可能である。また目的に応じてTFTはモノクロ/4bit階調グレースケール/8bitグレースケール/8bitカラーの4種類が提供される。
R32C/11xファミリは最大50MHzで動作し、フラッシュメモリから0ウェイトで動作、最大42DMIPSの性能を持つ。またオンチップで32bit加算器と単精度FPU、32bitのバレルシフタを搭載し、高いデータ処理性能を誇る。また同ファミリは高精度タイマや4chのDMAコントローラ、16chのPWM生成/測定などの回路を持つほか、用途に応じて最大9chのUSARTや26chの10bit A/Dコンバータ、2つの8bit D/Aコンバータを利用可能で、CRC生成回路も利用できる。
今回のソリューションはEPOSマーケットやHVAC(Heating, Ventilating, and Air Conditioning:暖房、排気、空調)アプリケーション、エネルギー/セキュリティ制御パネル類など、16bitカラーのTFTソリューションでは高すぎるようなマーケットを狙ったものになる。こうしたマーケットに向けた、ルネサステクノロジのハードウェアとSEGGERのRTOS「embOS」およびGUI「emWin」は、最適なソリューションとなるとルネサスはしている。embOSとemWinは省フットプリントで設計されており、R32Cの元で高速動作が可能。
また、アプリケーションの作成を容易にするため、SEGGERはR32C/11xファミリとTFTアドオンボードに最適化された、embOSとemWinのBSPをトライアルパッケージとして提供する。