Wolfson Microelectronicsの日本法人であるウォルフソン・マイクロエレクトロニクスは、マルチメディア携帯電話やその他の多機能ポータブル・オーディオ向け低消費電力オーディオ・ハブCODECの第一弾として「WM8993」を発表した。すでに薄型48ピンのW-CSP(3.64mm×3.54mm×0.7mm)パッケージでサンプル出荷を開始しているという。

同製品は、同社のオーディオ・ハブ・アーキテクチャに、低消費電力テクノロジとオーディオ機能強化テクノロジを集積したデバイスで、ハブによりマルチメディア携帯電話におけるオーディオ機能の処理とルーティングのすべてを管理し、電話機がさまざまなオーディオ・アーキテクチャや用途へ対応できるようサポートを行う。

また、同社のダイナミック・レンジ・コントローラ「ReTune Mobile Parametric Equaliser」を集積することで、「スピーカ特性の最適化」「より優れたスピーカ周波数レスポンス」を実現することが可能で、低レベル信号のブーストサポート、不安定なモバイル環境でのダイナミック・レンジ最適化ができる。

さらに、プログラマブル・ダイナミック・レンジ・コントロールにより、ボリュームの最大化をサポートし、「呼び出し音の可聴度改善」、「音楽再生性能の向上」を携帯電話に内蔵されたスピーカで可能にするほか、バッテリに過剰な負荷を与え、スピーカに損傷をもたらすこともあるオーディオ信号のクリッピングや歪みを抑制することが可能となる。

スピーカドライバは、クラスDまたはクラスABモードで動作し、1Wステレオモードでは、1%以下の歪み率で8ΩのBTLスピーカ負担を駆動させるほか、2Wモノ・モードでは、スピーカドライバを相互に接続することで追加出力として4Ω負荷を駆動させ、低いリーク電流とオーディオ帯域における高電源電圧変動除去比(PSRR)により、スピーカ電源を直接バッテリに接続することが可能となっている。