マイクロソフトは、15名以下の中小企業をターゲットとしたサーバOS「Microsoft Windows Server 2008 Foundation(以下、Foundation)」を発表した。今後、OEMメーカからサーバ製品が出荷される予定だ。
Foundationは、Windows Server 2008 Standardに機能上の制限を加えることにより、価格を大幅に下げたサーバOS。Windows Serverにアクセスするためのクライアント アクセス ライセンス(CAL)も必要ないという。
Standardと比較して登録できるユーザ(同時利用ではない)が15名以下に制限されるほか、Hyper-Vが利用できない、CPUは1ソケットまで、メモリは8GBまでなどの制限がある。ただし、今後Standardへのアップグレードパスを設定する予定だという。
Windows Server FoundationとWindows Server 2008 Standard機能比較
機能 | Foundation | Standard |
---|---|---|
物理プロセッサーソケット数 | 1 | 4 |
最大メモリ | 8GB | 32GB |
Hyper-V | × | ○ |
仮想OSインスタンス数 | × | 1 |
ユーザ数 | 15 | 無制限 |
SMB(サーバーメッセージブロック)接続数 | 30 | 無制限 |
リモートアクセスサービス(RRAS)接続数 | 50 | 250 |
インターネット認証サービス(IAS)接続数 | 10 | 50 |
ターミナルサービスゲートウェイ接続数 | 50 | 250 |
管理用リモートデスクトップ接続数 | 2 | 2 |
Active Directoryユーザアカウント数 | 15 | 無制限 |
Active Directoryで利用できる機能等、上記以外はStandardと同等の機能が利用できるという。また、SQL ServerやExchange Serverなどは通常版がインストール可能だ。
パッケージ提供はなく、すべてOEMメーカからサーバにプレインストールした形で出荷される。提供は64ビット版のみとなる。また、Foundationではコストにより、専用サーバを導入できない中小企業を考慮して、Vistaと同様のLook&Feelに変更可能としており、通常業務はデスクトップPCとして利用可能にしている。
現在のところIBM、NEC、デル、HP、日立、富士通がサーバを供給する予定で、デルが販売予定の「DELL PowerEdge T100」では、Foundation付きで54,800(税込)で提供される予定だ。これはVista Businessを搭載した場合より、1万円以上安いという。
執行役 常務 ビジネス&マーケティング担当 佐分利 ユージン氏が「中小企業のサーバ導入の何か起爆剤になるものがほしかった」と語る通り、かなりの低価格化が実現されている。
マイクロソフトの調査によれば、日本の企業のサーバ導入率は1.6%で、これは北米の5分の1だという。
マイクロソフトでは、今回のFoundationをきっかけに、中小企業にサーバを導入、順次Standardへのアップグレードを図っていく考えだ。
また、マイクロソフトは販促施策として、サーバを初めて利用するユーザーへの導入支援を目的として、「はじめてでも安心!Windows Server 2008 Foundationセットアップガイド」を5月1日よりWebページで提供するほか、「答えてねっと for Business」において、年5月1日より5月31日まで、同Webサイト会員全員を対象に、Windows Server 2008 Foundationをプリインストールしたサーバを5名にプレゼントする「もらって答えて サーバープレゼントキャンペーン」を展開する。同時に、Windows Server 2008 Foundationに関する質問もしくは回答した「答えてねっと for Business」の会員を対象に、4月22日より6月20日まで、1スレッドあたり100ポイントをプレゼントする。