中国の国家発展改革委員会(以下、「発改委」)、信息産業部、国家税関総署、国家税務総署などはこのほど、「第1次国家奨励集成回路企業」として94社の半導体製造企業を発表した。中国の半導体業界が待ち望んでいた支援政策が、ようやく実質的な進展を見せ始めた。

国家発展改革委員会のWebページによると、第1次認定審査を通過したこれらの企業は、政府から研究開発資金、税制優遇、人材養成、融資などを含む優遇政策を受けられるという。

2005年10月1日、中国政府は「18号文件」により税金払い戻し政策の終了を宣言し、中国の半導体業界に大きな影響を与えた。以後、同業界では政府による新たな支援策を待ち望んでおり、政府の関連部や委員会なども幾度となく新たな支援策について言及してきた。

業界筋は、半導体支援政策は国家発展改革委員会など多くの部門が関係しており、部門間の調整作業に手間取ったことが、新政策が遅れた原因の1つとみている。第1次奨励企業の発表は、半導体業界の支援策についてこれらの関連部・委員会などがようやく意見の一致にこぎつけたことの表れといえ、新政策推進のための重要な一歩といえる。

共同審査に合格した94社は、武漢新芯集成電路製造、無錫華潤微電子、上海集成電路研発中心を含む26社の半導体製造企業、威訊聯合半導体(北京)、Intel産品(上海)など51社のIC組み立て・選別、有研半導体材料企業、上海通用シリコン材料など16社の材料供給企業などとなっている。

ある業界関係者は、今回の支援策について「半導体製造から組み立て・選別、材料供給まで、優遇策は基本的に半導体産業チェーン全体をカバーしている」と高く評価している。

しかし、中国が世界的に大規模な半導体消費市場であるのとは裏腹に、国内企業の資金力と技術力のなさが半導体製造企業の成長を妨げるボトルネックになっている。そのため、全世界の半導体生産高において中国企業が占める割合はわずか6%にすぎない。

業界に詳しいある半導体ファウンドリ関係者は、政府の半導体産業に対する資金投入は非常に限られており、民間資本と国際資本の中国半導体製造分野への進出の障害になっていると話している。