カシオの皮膚観察/撮影用デジタルカメラ「ダーモカメラ DZ-D100(以下、DZ-D100)」は、皮膚科専門医以外にも多くの先生が医療現場で活用している。今回は独立行政法人 国立病院機構 東京医療センター形成外科の落合博子先生にWeb取材をさせていただき、DZ-D100の有効利用の様子を聞いた。

  • 独立行政法人 国立病院機構 東京医療センター 形成外科 科長 落合博子 先生

独立行政法人 国立病院機構 東京医療センターは、目黒区、世田谷区、渋谷区における中核的な医療機関で、病床数は740床(うち一般病床数692床)を有する。1983年6月に国立病院として初めて形成外科を開設。

対象疾患は皮膚腫瘍(専門医)、表在性の先天異常、眼瞼下垂(がんけんかすい)、瘢痕(はんこん)・ケロイド、外傷、熱傷、難治性潰瘍、顔面神経麻痺、悪性腫瘍切除後や外傷後の再建、リンパ浮腫など多岐に亘る。

  • 独立行政法人 国立病院機構 東京医療センター

形成外科診療のさまざまなシーンにマッチするDZ-D100

――早速ですが、DZ-D100を導入したきっかけについて教えてください。

落合先生:「ダイレクトメールを見たのが最初です。一週間ほど貸し出してくれるモニターを募集していたので、ちょっと使ってみようかと応募しました。形成外科の誰もがいつでも使えるカメラを用意しておかなければならないのはずっと頭にありましたし、操作が簡単なカメラがあるといいなと考えていたところでした。

操作が非常にシンプルで、だれでも安定した良い写真が撮れるというのが第一印象です。コンパクトなリングライトが標準搭載されているのも嬉しかったです。形成外科では口の中の撮影もするのですが、一眼レフでは被写体に近付けば近付くほど影ができてピントが合わず、苦労することがあります。DZ-D100ではリングライトで照らした様子をそのまま撮影できるので、被写体を狙ってシャッターを切れば良く、思うように撮れます。

あとは手術室に持って行ったときに看護師さんからの評判がとても良かったのも、購入の決め手の1つになりました。扱いやすいうえに見た目が可愛いと言って、看護師さんが喜んでいます」

  • DZ-D100を手に取る落合先生

――道具に愛着が持てるかどうかも重要ですよね。普段の業務の中で、DZ-D100をどのような用途で利用していますか。

落合先生:「形成外科は皮膚腫瘍のほか外傷や瘢痕、悪性腫瘍の再建の患者さんなどが通ってきますので、皮膚科と比べると対応する患者さんの幅が広いと思います。

良性皮膚腫瘍の切除手術は皮膚科と重なる領域です。皮膚科と同じように術前、術後の経過の様子をDZ-D100で撮影して記録します。

ただし、形成外科では術後や外傷後の瘢痕を観察する際、皮膚のキメがきれいに再生できているかについて、皮膚科より厳しく確認していると思います。DZ-D100は皮膚の状態を非常に詳細に写し出せるので、瘢痕治癒過程の記録にとても役立っています。

また、最近はまぶたが下がって開けにくくなる眼瞼下垂の患者さんを診る機会がとても多くなっています。

眼瞼下垂の診察では、瞳孔に光を当てて反射させて写真撮影をすると、まぶたの上がり具合(MRD)を客観的に評価しやすくなります。DZ-D100を導入する前は、一眼レフカメラでフラッシュを焚いて瞳孔を光らせていましたが、患者さんからは『眩しい』と言われたり、瞬時に目をつぶってしまうこともありました。しかし、DZ-D100では眩しくない程度にリングライトを光らせたまま撮影できますので、まぶたの上がり具合をより正確に評価できるようになって重宝しています」

  • カシオの皮膚観察/撮影用デジタルカメラ「ダーモカメラ DZ-D100」

――形成外科ならではの使用方法ですね。興味深いです。

落合先生:「私が外来を担当する時は、眼瞼下垂症の患者さんは一日5人から10人弱くらいです。初診だけでなく、術後の患者さんも診るので、比較的人数が多くなります。診察のたびにカメラで撮影しています。手術前、手術後、一週間後、一カ月後、三カ月後という風に記録します」

撮影画像の管理に便利な「D'z IMAGE Viewer」

――画像の管理はどのようにしていますか?

落合先生:「今は撮影した画像をパソコンに取り込み、フォルダ毎に分類して管理しています。専用の画像管理ソフトは、DZ-D100と連携して便利そうですので、これから使ってみたいと思っています。

患者IDによる分類ができると聞いていますが、患者IDのバーコードをDZ-D100で撮影すると、自動でファイル名に紐づいて、管理してくれる機能があるといいですね」

  • ダウンロードして無料で使用できるカシオの画像管理ソフト「D'z IMAGE Viewer」は、DZ-D100で撮影した画像を自動で取り込み、経過観察を含め効率よく管理できる

手術室でも活躍するDZ-D100

――ほかにはどのような場面でダーモカメラを使用していますか。

落合先生:「診察室に加えて、手術室で使用する頻度が高いと思います。形成外科では小範囲の手術もありますが、悪性腫瘍術後の再建などで大きな範囲の撮影も必要になるので、様々なケースがあります。そういうところでも便利にDZ-D100を利用させていただいています」

――手術室でも撮影するのですか。

落合先生:「形成外科では顔面骨折や口の中の手術などもします。そういう場合に多いのが狭い入り口から奥行きのあるところに限局した、小さな範囲での撮影です。それこそ顔面骨折の切開だと、1.5cmくらいの切開から奥の折れている骨を撮影しなければなりません。こんなとき、一眼レフだとなかなか奥にピントが合わないのです。一眼レフに装着するリングライトも大きくなりがちでかさばるため、構えるだけで大変です。

しかも手術中は形成外科医ではなく、看護師さんが撮影することが多くなります。形成外科医が撮影してほしい箇所を指示し、看護師さんが撮影します。速やかに撮影してほしいのですが、看護師さんは初めて触れるカメラだと扱いが分からなくて手間取ってしまうことがあります」

――手術室では看護師さんが撮影するのですね。看護師さんは練習なしで撮影されることが多いのですか。

落合先生:「そうです。当院ではこれまでは形成外科医ごとに自分のカメラを手術室へ持参し、手術を始める前に看護師さんに使い方を伝えますが、そこに時間が掛かってしまうのも困ります。

その点、DZ-D100は操作がシンプルなので直感的にわかりやすく、リングライトが最初から搭載されていてもコンパクトです。DZ-D100のリングライトは焚くのではなく、点灯させたまま撮影できるので、撮影したい場所にピントも合わせやすいのです。看護師さんが扱いやすいようで、最近の手術中の写真はDZ-D100で撮ってもらうようになりました」

  • DZ-D100はレンズの外側にリング状のライトを標準搭載しており、点灯させながら撮影できる

落合先生:「筋肉や皮膚を大きく動かすような再建手術では、足一本が入るように撮影したり、お腹と胸の全体を撮影したりと撮影範囲が大きくなります。『大きく撮影する』といった撮り方が必要になってくるので、こういうところは皮膚科と大きく違う部分ではないでしょうか。

身体の半分を写すように大きく撮るケースについては、一眼レフの方が向いていることもあります。ただ、一眼レフは大きく重たいので、持ち歩く必要がある場合はDZ-D100を用いて撮影しています」

――なるほど。大きい範囲を撮影するシーン、小さい範囲を撮影するシーンの両方があるのですね。DZ-D100を手術室に持って行かれるということは、カメラは持ち歩いているのですか?

落合先生:「はい、形成外科医は各自のカメラを持ち歩いて診察室、病棟、手術室全ての場面で使います。ただ、みんなで参加する回診や手術などでは、誰かが1台のカメラで撮影して、終了後にカルテに保存する、というように役割分担する方がシンプルですし、確実な作業が期待できます。そのカメラとして、DZ-D100を用いています。

形成外科にとって重要な点なのですが、専門医を取得する時には手術前・術中・術後の写真の提出が必須です。もちろんピントが綺麗に合って撮れていることが写真の条件の1つになっています。そのため、いつでも必要な時に簡単に撮影できること、誰でも安定した良い写真が撮れることは、カメラの重要な条件だと思っています」

――本日はありがとうございました。

形成外科の最前線でも活躍の場を広げるDZ-D100。用途の広い皮膚観察/撮影用デジタルカメラDZ-D100のさらなる展開にも注目していきたい。

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