2013年11月、TSUKUMO(ツクモ)からBTOノートPC「G-GEAR note N1560J」「eX.computer note N1540J」「eX.computer note N1500J」の各シリーズが一挙に発表された。夏に発売されていた「G-GEAR note N1580J」シリーズとあわせると、15.6型ノートPCに4シリーズが並ぶ格好となっており、売れ筋の15型クラスを重点的にカバーする手堅いラインナップといえるだろう。
ただ、同じ15.6型のサイズにこれだけの機種が並ぶと、どれを選ぶべきか迷ってしまうというユーザーもいるかもしれない。そこで今回は、この冬、ノートPCの買い換えを検討している人向けに、用途別のオススメ機種を提案しよう。このサイズの据え置き型ノートPCは、多くの場合メインマシンとして向こう数年に渡って使用するもの。じっくり比較して、最適な一台を見つけてほしい。
なお、各機種ごとの詳細なレビューをすでに掲載しているので、あわせてご覧いただきたい。
全シリーズでノングレア液晶を採用、CPUはHaswell搭載
まずは、ラインナップ全体の特徴を概観してみよう。下の表は、現在TSUKUMOから発売中の15.6型ノートPC、4シリーズの主な特徴をまとめたものだ。
まず、大きく分けてスタンダードノートの「eX.computer note」と、ゲーマー向けノートの「G-GEAR note」があり、それぞれ2シリーズずつが用意されている。G-GEAR noteは、ゲームを快適に楽しむために必要な高いグラフィックス性能を有しているほか、長時間連続して高い負荷をかけても大丈夫なように冷却機能も強化されており、eX.computer noteに比べるとワンランク上のスペックをそろえたノートPCとなっている。
とはいえ、グラフィックス以外の部分では、購入時にカスタマイズを行うことで、eX.computer noteでもかなりの性能まで引き上げることができる。最も低価格のN1500Jシリーズでも、クアッドコアCPUのCore i7-4702MQを搭載するモデルが用意されており、メモリも16GBまで増量可能。動画のエンコードや高解像度のRAW画像編集など、高いCPU性能が求められる用途にも対応できるので、ゲームはやらないがそれ以外の用途で高い性能が必要なユーザーにも、eX.computer noteはオススメだ。G-GEAR noteは、もともとハイスペックな構成が可能なeX.computer noteに、ゲーマー向けの性能を追加したシリーズと考えておけばいいだろう。
4シリーズすべてに共通する特徴としては、コードネーム"Haswell"で呼ばれる最新世代のCPUを搭載している点が挙げられるだろう。2013年末の現在でも、ノートPC市場では1つ前の"Ivy Bridge"世代を搭載している機種が混在しているが、TSUKUMOの15.6型ノートはすべて最新世代への刷新が完了しており、より少ない消費電力で高い性能を発揮することができる。
また特筆すべき点として、全シリーズでノングレアタイプの液晶パネルを採用している。従来、ノングレア液晶は不特定の場所で使用するモバイルノートPCに搭載されることが多く、据え置き型のノートPCでは光沢液晶が主流だ。しかし、光沢液晶は色を鮮やかに表示できるものの、照明や窓からの光が映り込む場所では使いにくく、またノングレア液晶に比べると、長時間使用した場合に目が疲れやすいというデメリットもある。TSUKUMOでは見た目よりも実用性を重視しているようで、基本的に決まった場所で使う据え置き型のノートPCでも、すべてノングレア液晶に統一されているのが大きな特徴だ。
そのほか、いずれの機種にもWindows 7プリインストールモデルが用意されており、Windows 8.1とどちらか好きなOSを選ぶことができる(N1580JシリーズはWindows 7モデルのみ)。
大きな文字か、フルHDの情報量か - eX.computer noteの2シリーズ
それでは、まずはeX.computer noteの「N1500J」「N1540J」の両シリーズを見てみよう。
こんなユーザーにオススメ!
N1500Jシリーズ
・しっかりした作りのノートPCをできるだけ低価格でほしい
・画面の文字は大きなサイズで表示してほしい
N1540Jシリーズ
・ある程度の性能を求めたいが、予算はあまりなく価格も抑えたい
・フルHDのゲームはしないがハイスペック志向で、SSDの快適性は必須
この2シリーズの違いは明確だ。N1500Jは解像度を1366×768ドットに抑えた代わりに、低価格を実現したコストパフォーマンス優先の機種で、N1540Jは近年主流となりつつある、フルHD(1920×1080ドット)ディスプレイを搭載したものとなっている。これら2機種を並べてみると、1画面に表示できる情報量が1366×768ドットとフルHDでどれだけ違うかが一目瞭然となる。
前述したとおりN1500JとN1540Jの違いは、液晶ディスプレイの解像度と外部グラフィックを搭載しているかどうかだ。つまり、情報表示能力において差別化されている。とはいえ、ウェブ閲覧やネット動画再生、オフィスドキュメントの閲覧作成といった用途がメインなら1,366×768ドット、CPU内蔵グラフィックを採用したN1500Jで十分に対応できる。5万円台から購入できる安価なモデルながら、PCとして十分な性能を確保していることに注目したい。PCをカジュアルに使いたい個人ユーザーにはN1500Jが最適だ。
そのほか、N1500Jシリーズはエントリーモデルではあるが、プリインストールOSとしてWindows 7 Professional、Windows 8.1 Proももちろん選択可能なので、法人導入にも対応可能。Windows XPのサポート終了にともなうリプレイス用のマシンにも適しているだろう。低予算で複数のクライアントPCの更新を行いたい事業主に注目してもらいたい。
一方、フルHDのN1540Jシリーズは、N1500Jシリーズに比べ、たくさんの情報を一度に表示できるのがメリット。最近では、幅1280ドットなど、かなり横に広いデザインを採用するWebサイトも出てきており、ブラウザの横幅を大きく広げないとすべてを画面内に表示できないことも少なくない。その場合もフルHDディスプレイならば複数のウィンドウを並べて表示できるので、Webで調べ物をしながら文書を編集するといったシーンでも、画面の狭さを感じることがない。また、GeForce GT 745Mを搭載しているので、解像度や描画品質の設定をある程度落とせば、ゲームを楽しむことも可能だ。
15.6型のフルHDノートは、今最も売れ筋のカテゴリなので、N1540Jシリーズよりも安い製品が他社から発売されているのは事実だ。しかし、CPU内蔵グラフィックス機能よりもワンランク高性能なグラフィックスチップを搭載し、エントリーモデルでもCeleronやCore i3ではなくCore i5を採用するなど、ゲーマー向けPCほどではないものの、比較的ハイスペックな構成になっているのがN1540Jシリーズだ。最小構成でも充実している仕様を考えると、N1540Jシリーズはむしろ買い得感のあるノートPCといえるだろう。
まとめると、予算が限られた状況でしっかりとしたPCを導入したい方や、クライアントPCの一括導入を考えている法人用途ではN1500Jが向く。一方、少し予算を上乗せして映像や画像の編集、カジュアルなPCゲームをストレスなく行いたい人はN1540Jを選ぶとよいだろう。なお、両モデルとも、DVDドライブを非搭載にすることで、SSD+HDDのストレージ構成でオーダーすることが可能だ。